イーロン・マスク、テスラの最高経営責任者(CEO)が昨年末、1億1,200万ドル(約177億円)相当の株式を特定団体に寄付したことが明らかになった。この寄付は節税目的で自身が設立した財団に行われた可能性が高いと見られている。
2日(現地時間)、ロイター通信によれば、マスクCEOは先月12月30日、テスラ株式26万8,000株を匿名の慈善団体に寄付したと当局に申告した。申告には「年末の節税目的で、現在株式を売却する意向がない特定の慈善団体」に寄付した旨が記されているという。
ブルームバーグの億万長者指数によれば、マスクの純資産は4320億ドル(約68兆1496億円)で、世界1位を誇る。今回の寄付について、マスク側は特にコメントを出していない。
今回の寄付規模は、寄付当時のテスラ株価で1億1,200万ドル、株価が下落した現在では1億820万ドル(約171億円)相当に相当する。
マスクはこれまでにも大規模な寄付を行っており、2022年末には19億5,000万ドル(約3,077億円)相当、2021年末には57億4,000万ドル(約9,057億円)相当のテスラ株を匿名の慈善団体に寄付した。2021年の寄付分は、彼が代表を務める非営利財団「マスク財団」に寄付されたことが後に確認された。同財団は「人類に有益で安全な人工知能(AI)開発」などを目的に助成金を提供している。
一部からは、マスクが事業目的で寄付制度を悪用しているとの批判も上がっている。ブルームバーグ通信は「米国では非営利団体が年間平均資産の5%を寄付または使用する義務があるが、マスク財団はこれをしばしば守らない」と指摘している。