暗号資産（仮想通貨・コイン）の代表格であるビットコインが再び10万ドル（約1,583万円）を目指して上昇傾向を続けている。
最近、ビットコインの急騰は仮想通貨市場に活気をもたらしているが、巨額の資金を持つ「クジラ」と呼ばれる大口投資家の市場支配力が強まる中、価格変動リスクへの懸念も高まっている。
暗号資産専門メディア「ビットコイニスト」は4日（現地時間）、ビットコイン市場におけるクジラの役割とその影響に関する分析を報じている。
同メディアの報道によると、仮想通貨データ分析企業「クリプトクオント」のアナリスト、アクセル・アドラー氏は、「現在の暗号資産取引所におけるビットコインの取引量の94.5%が上位10の大口取引が占めている」と指摘している。
この数値は、過去10年間の平均93.5%を上回っており、市場における大口投資家の影響力がさらに強まっていることを示している。
クジラと呼ばれるこれらの投資家は、巨額の資金力を背景にビットコインの価格を大きく上昇させたり、急落させたりする能力を持っている。
特に、クジラによる大量購入は価格の急騰を引き起こし、逆に大量売却は市場の崩壊につながる可能性がある。このため、市場の不安定性が増す中、個人投資家は彼らの動向に敏感に反応せざるを得ない状況である。
アドラー氏の過去のデータ分析によると、クジラは強気相場の初期または中期段階で資産を売却し、市場のピーク時には影響力を弱める傾向があるという。現在のようにクジラの取引量比率が高い状況は、強気相場の初期または中期段階にある可能性を示唆している。
実際、過去にビットコインが3万5,000ドル（約554万円）から7万ドル（約1,108万円）の範囲で推移していた時期には、クジラの影響力が弱まっていた傾向が見られた。
10万ドル突破を目前に控え、最近クジラの活動が再び活発化し、市場参加者の注目を集めている。現在ビットコインは約9万8,000ドル（約1,551万円）で取引されており、10万ドル突破の可能性をめぐり市場の期待と懸念が交錯している。
10万ドルはビットコイン市場で心理的な節目と見なされている。この水準を超えれば、強い上昇モメンタムが形成されると予想されるが、突破は容易ではないとの見方も出ている。暗号資産投資の専門家らは、10万ドル突破に成功しても、この水準を維持するには追加の買い需要が不可欠だと分析している。突破に失敗すれば、短期的な調整局面に入るか、9万ドル（約1,424万円）まで下落する可能性も否定できない。
2021年にビットコインが6万9,000ドル（約1,092万円）で史上最高値を更新した際も、クジラの影響力が注目を集めた。当時もクリプトクオントは大口投資家の売却動向が市場調整を引き起こしたと分析しており、これが最終的にビットコインの3万ドル（約474万円）台への下落につながった。