フランスで訓練中のウクライナ軍人約50名が脱走したとの報道があった。
AFP通信は6日(現地時間)、フランス陸軍関係者の話を引用し、このように伝えた。
フランスでは脱走を犯罪として処罰していない。
この関係者は「一定数の脱走があったが、訓練を受けた人数の規模を考えるとごくわずかだ」と述べ、「彼らはフランスの兵舎に滞在しており、外出する権利があった」と説明した。
また、フランスで訓練を受けたウクライナ兵士たちは「ウクライナ司令部が定めた」懲戒制度に従うとしている。
ただし、「誰かが脱走しても、フランスの検察にはその人物を逮捕する権限はない。また、フランス領内でウクライナ当局に与えられた権限は懲戒権のみだ」と付け加えた。
フランス軍は、11世紀にフランス国王アンリ1世と結婚したウクライナの公女の名にちなんで「キーウ・アン」と名付けられた旅団の兵士2,300名をフランス領内で訓練した。
兵士の大半は戦闘経験のない徴集兵で、彼らを管理するためにウクライナの監督官300名が同行した。
「キーウ・アン」旅団は、ロシアの新たな攻撃に備えるため昨年創設された複数の部隊の1つである。
この日、ウクライナ陸軍司令官は脱走に関する報告を受け、この部隊に組織力不足などの「問題」があることを認めた。
彼は、ウクライナのジャーナリスト、ユーリ・ブトゥソフが昨年12月に報じた「兵士1,700名が戦闘に参加せず旅団から脱出し、そのうち50名がフランスでの訓練中に脱走した」という報道について「反論しない」と述べていた。
ただし、報道で示された規模は事実ではない可能性があると指摘した。彼はキーウ・インディペンデントに対し、「軍部隊を無許可で離れる理由には様々な要因がある」とし、「人事に対する恐れや、時には実戦経験の不足も恐怖の原因となり得る」と語った。