トランプ次期大統領が「メキシコ湾」の名称を「アメリカ湾」に変更しようと提案するなど、領土拡大に野心を見せているのに対し、メキシコ側はメキシコ湾という名称は国際的に認められていると反発した。
8日(現地時間)メキシコのシェインバウム大統領は、記者会見の中でスクリーンを使って17世紀の北米大陸の古地図を見せながら、北米大陸が当時「メキシカン・アメリカ(アメリカ・メヒカーナ)」と呼ばれていた歴史的経緯を説明し、「再びメキシカン・アメリカと呼ぶのはどうかしら」と報道陣に問いかけ、「いい響きだと思うの」と皮肉を込めて語った。
さらに、「メキシコ湾という名称は国連や国際社会が認めているものだ」とし、「17世紀にはすでにメキシコ湾という名称が存在しており、アメリカという国家が誕生する以前から確認できる地名だ」と強調した。
これは前日7日に「メキシコ湾からアメリカ湾に改称する」と発言したトランプ氏に対するメキシコ政府の反論だ。
AP通信は「メキシコ湾はアメリカ南東部に接しており、第3の海岸とも呼ばれている」とし、「アメリカとメキシコの国境を流れ、メキシコ湾へ注ぐリオ・グランデ川もメキシコではリオ・ブラーボと呼ばれるなど、両国で異なる呼称が使用されている例がある」と説明した。
トランプ政権が実際に「アメリカ湾」という呼称をアメリカ国内で採用する可能性はあるものの、国際社会がそれに従う必要はなく、国際機関は呼称の統一化に努めていると指摘した。