イーサリアム（ETH）をはじめとする仮想通貨の価格が3日連続で下落している。これは、最近のイーサリアム現物上場投資信託（ETF）からの大規模な資金流出が影響していると考えられている。
9日午後8時50分（韓国時間）、仮想通貨市況プラットフォーム「CoinMarketCap」によると、イーサリアムは前日同時刻比1.42%下落し、3,300ドル（約52万2,738円）を記録した。イーサリアムと類似した動きを示すイーサリアムクラシック（ETC）とイーサリアムネームサービス（ENS）もそれぞれ25.07ドル（約3,971円、-0.97%）、31.69ドル（約5,019円、-2.88%）に下落した。
イーサリアムは年初から6日まで緩やかな上昇を続けていたが、7日から下落に転じた。
イーサリアム系仮想通貨の同時下落は、最近のイーサリアム現物ETFからの急激な資金流出と密接に関連しているとされる。
7日（現地時間）、イーサリアム現物ETFは純流出に転じ、8,680万ドル（約137億4,960万円）の資金が流出した。翌8日には1億5,940万ドル（約252億円）という大規模な資金流出が発生し、市場に衝撃を与えた。
特に、フィデリティ（Fidelity）が運用する「フィデリティ・イーサリアム・ファンド（FETH）」は、8日の資金流出の92%（1億4,770万ドル／約233億円）を占め、最も大きな影響を与えたことが判明した。このことは、グローバル投資家がイーサリアム関連資産に対して慎重な姿勢を取っていることを示していると考えられる。
市場専門家は、イーサリアムとその関連資産の弱気相場が短期的に続く可能性が高いと見ている。ETFからの資金流出により投資心理が冷え込み、さらなる資金流出が発生すれば、下落が加速する可能性があると指摘されている。
ただし、イーサリアムの技術的基盤と長期的なネットワーク拡張性を考慮すると、中長期的には回復の可能性があるとの見方も示されている。
2022年初頭、アメリカでもビットコイン（BTC）現物ETFが大規模な資金流出を経験し、市場全体の下落を招いた事例がある。当時、プロシェアーズ（ProShares）のビットコインETFは短期間に10億ドル（約1,584億円）以上が流出し、ビットコイン価格が15%以上下落した。この事例は、ETFの資金フローが仮想通貨市場に与える影響の大きさを示していると考えられる。