米国のロボット企業が披露した人工知能(AI)搭載のヒューマノイドロボットが注目を集めている。自然な視線で相手と目を合わせ、軽い手振りや体の動きを交えて会話するためだ。
米ロボット企業リアルボティクス(Realbotix)は、1月8日(現地時間)にネバダ州ラスベガスで開催された世界最大の電子・IT展示会「CES 2025」でヒューマノイドロボット「アリア(Aria)」を公開した。アリアは身長や肌だけでなく、髪型まで実際の成人女性の外見と酷似していた。さらにAIにより自然な対話が可能で、質問にも容易に応答できた。
アリアの外見をより詳しく見ると、身長は約155cmで、肌は本物の人間の皮膚のような感触を持つ。目を瞬かせて生き生きとした印象を与え、会話中は相手と視線を合わせるために目を動かす。話しながら自然な腕の動きを見せ、指も人間のように曲げることができる。繊細な指の動きで小さな物体も掴めるという。
会話能力もこれまでのロボットより進化している。自己紹介を求められると「リアルボティクスのフラッグシップとなる女性の友人(companion)として、今回のCESで来場者と対話し、当社の革新的なロボットに関する興味深い情報を共有します」と述べた。また「過去5年間で何を学んだか」という質問には「意味のある会話を交わし、人間の感情を理解してコミュニケーションを取る能力を磨きました」と答えた。
リアルボティクスの共同創業者であるマシュー・マクマレム最高執行責任者(COO)は「アリアと一緒に映画やテレビを視聴し、それについて会話することができる」と語った。ただし、車輪付きの円形台に支えられて立っているため、自力で歩行することはできないなど、動きには制限があるとし、「1〜2年後には歩行可能なロボットを発表できると考えている」と付け加えた。
アリアのようなヒューマノイドロボットの価格は、頭部のみで5万ドル(約787万円)、全身では15万ドル(約2,360万円)程度とされている。リアルボティクス社は、顧客の要望に応じたカスタム顔も製作可能だと説明している。