アサド政権が崩壊したシリアでは欧米をはじめとする西側諸国の製品が再び市場に流入し始めている。
13日(現地時間)「フィナンシャル・タイムズ」は高関税率が撤廃されたシリアで、内戦中には見られなかった輸入食品が人気を集めていると伝えた。
首都ダマスカスでは、トルコ産のミネラルウォーターやサウジアラビア産のチキンパウダー、レバノン産の牛乳、アメリカブランドの「スニッカーズ」や「Twix」などのチョコレート製品が見られるようになった。
例えば、バナナの価格はレバノンから輸入されたバナナにより5分の1になり、野菜や果物の価格は下落傾向にある。
フィナンシャル・タイムズによると、ダマスカスのある店では壁一面にアメリカP&Gのポテトチップス「プリングルス」が陳列されているそうだ。
あるスーパーマーケットの店員は、アメリカブランドの「ペプシコーラ」などの飲料が再び販売されるようになり、市民はとても喜んでいると語った。
2013年にアサド前政権はシリア・ポンドの価値を上げるために外貨の使用を禁止し、輸入品には高関税を課した。
その結果、昨年までApple社のiPhoneの場合、機種によってはおよそ900ドル(約14万円)が価格に転嫁されていた。
さらに国際社会の制裁も重なり、様々な製品の入手経路が限定されていたため、レバノンを通じて密輸された。
アサド前政権は特に「米ドル」に対して厳しく取り締まりを行っており、商人たちの間では「ドル」の代わりに別名を使って取引を行うほどであった。
現在シリアでは、海外からの輸入品との比較でシリア産製品が安価となっている。
アメリカブランド「ハインツ」のケチャップが、78,000シリア・ポンド(約430円)で販売されている一方、国産ブランドの製品は14,000シリア・ポンド(約170円)相当で販売されているという。