壮絶な白兵戦でウクライナ軍兵士を制して注目を集めたロシア軍兵士が、ウラジーミル・プーチン大統領から勲章を授与されることになった。
11日(現地時間)、クレムリンは、プーチン大統領が、第39機械化歩兵旅団所属のアンドレイ・グリゴリエフ上等兵の勇気と英雄的行為を称え、「ロシア連邦英雄」の称号を授与する大統領令に署名したと発表した。
グリゴリエフ氏は今月初めにSNSで公開された白兵戦の映像で一躍有名になった人物だ。
昨年秋、ウクライナ東部ドネツク州の村での戦闘で撮影されたこの映像では、彼がナイフを手に激しい格闘の末にウクライナ軍兵士を制圧する様子が映し出されている。
映像の中で、ウクライナ軍兵士はグリゴリエフ氏に静かに息を引き取らせてほしいと懇願し、「母さん、さようなら」と言い残して手榴弾を取り出し自爆した。
グリゴリエフ氏はロシアメディアのインタビューで、ウクライナ軍兵士の要請を受け入れ最後の瞬間に戦いを止めた理由について、「いかなる状況下でも人間性を失ってはならないと教えられてきたからだ」と語った。
ウクライナメディアは、亡くなった兵士がウクライナ南部オデッサ出身のドミトロ・マスロウスキー氏と確認されたと報じた。この映像はマスロウスキー氏のヘルメットに装着されたカメラで撮影されたとみられる。
この映像でロシアの著名人となったグリゴリエフ氏は、ロシア・シベリアのサハ共和国(ヤクーティア)出身で、運転手兼整備士として働いていたが、昨年4月に志願して入隊した。
サハ共和国のアイセン・ニコラエフ首長は11日、グリゴリエフ氏と直接会い、その功績を称えるとともに、同地域の先住民であるヤクート人の伝統的な刀を贈呈したことを自身のテレグラムで明らかにした。
ニコラエフ首長は、グリゴリエフ氏のような人物が偉大なロシアをさらに強くすると強調した。