14日のニューヨーク証券取引所は、ナスダックを除いて上昇基調を維持した。
米労働省が発表した12月の生産者物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を下回り、投資家心理が改善した。
急上昇していた国債利回りもこの日は小幅に低下した。
ただし、ナスダックは、M7が軒並み影響を受けて値を下げた。
一方、前日約30%暴落した量子コンピューター関連銘柄は一斉に反発した。
ナスダック、5営業日連続下落
ナスダックを除き、この日の市場は堅調だった。
ダウ工業株30種平均は221.16ポイント(0.52%)上昇し、4万2,518.28で取引を終えた。13日に続き2日連続の上昇となった。
市場の動向を幅広く反映するS&P500指数も2日連続で上昇した。この日は6.69ポイント(0.11%)高の5,842.91で引けた。
ナスダックは終盤に下落に転じ、43.71ポイント(0.23%)安の1万9,044.39で取引を終えた。
インフレ懸念の緩和
インフレーション(物価上昇)懸念の後退が相場を支えた。
米労働省の発表によると、12月のPPI上昇率は前月比0.2%にとどまり、市場 予想の0.4%を大きく下回った。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは11月と同水準だった。
投資家の関心は15日に発表される12月の消費者物価指数(CPI)に移っている。
エコノミストらは前月比0.3%の上昇を予想している。
CFRAリサーチの最高投資戦略責任者(CIS)、サム・ストーバル氏はCNBCに対し、「CPIが予想を上回れば、株式市場にとって間違いなく悪材料となる」と語った。
市場の変動性が依然として高いことを示唆している。
市中金利の指標となる10年物米国債利回りは0.013ポイント低下し、4.792%となった。
M7が軒並み下落
M7は軒並み下落した。前日唯一上昇したテスラも、この日は下落に転じた。
テスラは6.95ドル(1.72%/約1,090円)安の396.36ドル(約6万2,210円)で引け、400ドル(約6万2,782円)の大台を1日で割り込んだ。
エヌビディアは7日以降5営業日連続で下落となった。1.47ドル(1.10%/約230円)安の131.76ドル(約2万680円)まで下げ、この間の下落率は11%を超えた。
アップルは1.12ドル(0.48%/約175円)安の233.28ドル(約3万6,614円)、マイクロソフト(MS)は1.52ドル(0.36%/約238円)安の415.67ドル(約6万5,241円)で取引を終えた。
引け間際に5%の人員削減の報道が流れたメタ・プラットフォームズは、2日以来初めて600ドル(約9万4,173円)を割り込んだ。14.08ドル(2.31%/約2,209円)急落し、594.25ドル(約9万3,300円)で引けた。
量子コンピューター関連株が急騰
前日、メタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が「量子コンピューターの実用化はまだ先の話」と発言したことで再び暴落した量子コンピューター関連株は、この日一転して急騰した。
リゲッティ・コンピューティングは2.90ドル(47.93%/約455円)急騰し、8.95ドル(約1,405円)で引けた。
ディー・ウェイブ・クワンタムは0.90ドル(23.50%/約141円)高の4.73ドル(約742円)、クオンタム・コンピューティングも0.91ドル(13.96%/約142円)上昇し7.43ドル(約1,166円)となった。
代表的なスタートアップのイオンキューは1.65ドル(5.92%/約259円)高の29.51ドル(約4,633円)で取引を終えた。
国際原油価格、パレスチナ停戦期待で下落
国際原油価格は4営業日ぶりに下落した。
イスラエルとパレスチナの武装組織ハマスが近く停戦するとの期待が影響した。
国際指標のブレント原油の3月の引き渡し分は前日比1.09ドル(1.35%/約171円)安の1バレル=79.92ドル(約1万2,548円)で引けた。80ドル(約1万2,561円)の大台を回復した翌日に再び割り込んだ。
米国産原油指標のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の2月の引き渡し分は1.32ドル(1.67%/約207円)安の1バレル=77.50ドル(約1万2,168円)で取引を終えた。8日以来、4営業日ぶりの下落となった。