米全域の企業幹部がドナルド・トランプ次期米大統領の勝利に合わせ、より保守的な時代精神に適応しようと急いでいるとの海外メディアの分析が出た。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は14日(現地時間)、2020年のジョージ・フロイド死亡事件後に企業が社会正義支持に走る姿が見られたが、今回の大統領選は、より保守的な社会的・政治的立場への回帰と自由資本主義の受容向けの動きを加速させたと指摘した。
企業は「DEI(多様性・公平性・包括性)」政策部門を廃止し、人種の多様性を推進する慈善団体への支援を減らし、気候変動関連団体から脱退した。同時に、広告などで「ウォーク(woke、自覚的な左派を批判的に指す言葉)」と受け取られかねない要素をすべて削除しているという。
代表例として、メタ・プラットフォームズは先週、これらすべてを一挙に実行した。トランプ氏の親友である総合格闘技(UFC)代表のダナ・ホワイト氏を取締役に迎え、ファクトチェック機能を廃止し、雇用やサプライヤー選定などに適用していたDEI政策を撤廃した。
メタ創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は親トランプ系ポッドキャストに出演し、「文化的に中立化された」企業の台頭を嘆き、「攻撃性をもう少し称賛する文化を持つことには、それ自体に非常にポジティブな利点がある」と述べた。
アマゾンはトランプ氏の妻メラニア・トランプ氏の生涯を描いたドキュメンタリー映画を制作・放映し、トランプ就任式委員会に100万ドル(約1億5,534万円)を寄付した。
ウォルマートはサプライヤー選定での人種・性別考慮を中止し、従業員向け人種平等教育も取りやめた。マクドナルドは女性・有色人種の管理職の比率目標を撤回し、多様性チームをグローバル包摂チームに変更すると予告した。
これに先立ち、米国企業は2020年に黒人男性ジョージ・フロイド氏が警察の過剰な取り締まりで死亡した後、人種差別撤廃運動が広がる中でDEI政策を相次いで導入した。
しかし、DEI政策がかえって差別的だと反発していた米国保守派は、2023年6月に合衆国最高裁判所が少数人種優遇入学政策を違憲と判断して以来、企業に対するDEI撤廃圧力を強めてきた。