暗号資産(仮想通貨・コイン)リップル(XRP)の価格が2018年1月以来初めて3ドル(約468円)を突破した。
ビットコイン(BTC)を筆頭に仮想通貨市場全体の強気相場と政策変更への期待感が上昇を後押ししたとの見方が出ている。
16日(日本時間)、リップルは午前中に一時3.18ドル(約496円)まで上昇した。その後、調整を経て午後3時15分時点で3.07ドル(約478円)を記録したものの、24時間で8.33%上昇し市場の注目を集めている。
この上昇によりリップルの時価総額は1,700億ドル(約26兆5,215億円)を超え、仮想通貨時価総額ランキングで3位に返り咲いた。
リップルの価格急騰は複数の要因が重なった結果とみられる。
Coindesk社によると、20日(現地時間)に再び政権を握るドナルド・トランプ次期米大統領の仮想通貨に好意的な政策への期待が、市場に肯定的な影響を与えたという。
リップルについては、最近発表された新ステーブルコイン「RLUSD」と現物ETFの上場可能性への期待が上昇を牽引した主要因と指摘されている。リップルCEOモニカ・ロング氏はインタビューで「新政権が現物ETFの承認プロセスを加速させる可能性が高い」と述べ、楽観的な見通しを示した。
仮想通貨分析会社のSantimentは、リップルへの機関投資家や投資家「クジラ」による大規模な買い集めが上昇をさらに加速させたと指摘した。同社の報告によると、100万〜1,000万XRPを保有するウォレットが過去2か月間に約14億XRP(約38億ドル=約5,929億円)を追加購入したという。
リップルの技術分析も好材料を示している。リップルは昨年12月から続いていた価格調整パターンを突破し、力強い上げ潮に乗った。専門家らは、この上昇が続けば2018年1月に記録した史上最高値3.84ドル(約599円)を超える可能性があると予想している。
政策変更や法的問題もリップルの上昇に影響を与えた。米証券取引委員会(SEC)はリップルとの訴訟の一審判決に控訴し、準備書面を提出した。これに対し、リップルの最高法務責任者(CLO)のスチュアート・アルデロッティ氏は、X(旧Twitter)で「SECの控訴論理は既に失敗した主張の繰り返しに過ぎず、新トランプ政権の発足後に廃棄される可能性が高い」と反論した。