ドナルド・トランプ米大統領の二期目が始まる就任式が20日(現地時間)に行われる中、日本の金融市場は初日の彼の発言や行動に神経をとがらせている。トランプ大統領は就任初日に100以上の行政命令に署名する意向を示しており、日本の株式市場は予想外の事態に対する緊張感を高めていると指摘されている。
■ハイライトは「21日午前7時」
20日の現地メディア報道によると、15日の日経平均株価は3万8,444円で、約1か月半ぶりの最安値を記録した。トランプ大統領が準備中の行政命令の一部に、貿易や関税に関する強硬措置が含まれる可能性があると報じられており、市場は衝撃に備えている状況にある。
AP通信は、トランプ大統領が就任直後に100以上の行政命令に署名する計画だと報じており、日本の株式市場は不確実性の中で様子見を続けているが、行政命令の内容次第で急騰・急落するリスクが高いと考えられている。
トランプ大統領の就任式は、日本時間で21日午前1時30分からワシントンDCの連邦議会議事堂で行われる予定だ。特に、市場の関心は午前7時頃に予想される行政命令署名のタイミングに集中している。トランプ大統領はすでに昨年11月、中国からの輸入品のほとんどに10%の追加関税を課し、カナダとメキシコにも25%の関税を適用する方針を示している。
これに関して日本経済新聞(日経)は「市場ではすでに相当部分が織り込まれているため、予想通りの発表であれば、日本株は反発する可能性がある」と述べる一方、「日本やドイツ、欧州連合(EU)を追加関税対象国に加えるという予想外の発表があれば、日経平均は下落局面に突入する可能性もある」と指摘した。
日本が追加関税対象国に含まれれば、特に自動車業界が大きな打撃を受けると予想されている。
日本の自動車産業の北米売上比率は約38.3%に達する。仮にアメリカが日本からの輸入品に10%の追加関税を課す場合、日本の自動車メーカーの営業利益が20%から100%まで減少する恐れがある。主要銘柄では、特にトヨタやホンダなどの大手メーカーが強い売り圧力にさらされることが予想される。
■日本経済、円安もトランプ次第
日本銀行(BOJ)の金融政策もトランプ大統領の動向に左右される可能性がある。
現在、市場では今月23〜24日に予定されている金融政策決定会合でBOJが利上げを行うとの見方が強い。しかし、日経平均が大幅に下落したり、金融市場の不安が高まると、BOJが利上げ決定を先送りする可能性も排除できない。
SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは「市場で大幅な調整が起きた場合、利上げを見送る確率は30〜40%程度になると分析している」と話した。
為替市場は依然としてトランプ大統領就任後の動向を見極めることが難しい状況だ。一般的に市場でリスク回避姿勢が強まれば円高になる傾向があるが、逆にBOJの利上げ期待が後退すれば円安につながる可能性もあると示唆されている。