テスラCEOのイーロン・マスク氏が米中間の調停役として浮上している。19日から米国内でTikTokの使用が停止されることを受け、マスク氏による買収の噂が証券市場を中心に急速に広がっている。
18日、海外メディアによると、中国側もこの展開を歓迎している様子だ。米中間の対立を避けつつ、アメリカ国内でのTikTok存続を図るための最適な策として、マスク氏の関与を支持しているという見方がある。
中国は以前からマスク氏に対して大きな期待を寄せていた。習近平国家主席は、マスク氏をトランプ大統領側に送り込むことが効果的だと考え、両国の関係改善に寄与できる可能性を見込んでいた。
アメリカのCNBCもマスク氏が米中間のデタントをもたらす可能性は低いとしながらも、両国の緊張を和らげるための最適な人物であると評価している。
マスク氏は今回の大統領選でドナルド・トランプ氏の支持を表明し、同時に中国共産党とも極めて密接な関係を持っている。特にテスラ上海ギガファクトリーの建設時には、中国共産党から前例のない100%外資を認める待遇を受けるなど、注目を集めた。
その後、マスク氏は「アメリカ人は中国人ほど勤勉ではない」「反省すべきだ」などと発言し、中国共産党の立場に近い姿勢を示している。
テスラは上海でギガファクトリーを運営し、中国での売上が増加し続けている。このような背景からマスク氏は米中間の緊張を激化させたくないという立場を取っていると考えられる。
これによって、マスク氏は米中和解の使者として急速に浮上している。
さらに、マスク氏がこのプロセスを通じて、さらなる戦利品を手に入れる可能性も指摘されている。もしマスク氏がTikTokを買収すれば、X(旧Twitter)に続き、TikTokも掌握することになり、残る主要な競合はFacebookだけとなる。Facebookの親会社MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、相当な危機感を抱いていると考えられる。
マスク氏は、自社事業の拡大と共に、米中間の調停役としての称号を得ることができるという見方が広がっている。