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2025年01月23日木曜日
ホームニュースアップル、株価4%下落で時価総額3兆3,000億ドルに…中国市場の不振とAI機能の遅れが引き金に

アップル、株価4%下落で時価総額3兆3,000億ドルに…中国市場の不振とAI機能の遅れが引き金に

引用:ロイター通信
引用:ロイター通信

アップルの株価が21日(現地時間)、ウォール街の投資会社による相次ぐ投資判断の引き下げを受け、4%を超える下落を記録した。

アップル株は前取引日比3.19%安の222.64ドル(約3万4,845円)で取引を終えた。取引中には220ドル(約3万4,432円)を割り込む場面もあり、これは昨年11月4日以来、約2か月半ぶりのことだった。

時価総額も3兆3,060億ドル(約517兆4,201億円)に縮小し、同時間帯に株価が0.83%上昇した人工知能(AI)チップ大手エヌビディア(3兆4,000億ドル、約532兆1,159億円)に時価総額首位の座を譲った結果となった。

この日の株価急落の背景には、中国市場でのiPhone販売不振があるとみられ、これに伴いウォール街での判断が引き下げられたことが影響している。

市場調査会社カナリスの報告によると、昨年のアップルの中国市場でのスマートフォン出荷台数は前年同期比で17%減少し、同市場内でのシェアは3位にとどまった。

また、カウンターポイントリサーチの調査では、昨年の中国市場でのスマートフォン販売シェアにおいて、アップルはvivo(17.8%)、ファーウェイ(16.4%)、シャオミ(15.7%)に次ぐ4位(15.5%)だったことが示されている。昨年の第4四半期だけを見ても、ファーウェイ(18.1%)、シャオミ(17.2%)に続き、アップルが3位(17.1%)にとどまった。

投資会社「ジェフリーズ」は、iPhoneの販売不振を特に中国市場での問題として指摘し、同日の投資判断を「保有」から「売り」に引き下げた。

同社のアナリスト、エディソン・リー氏は「アップルの第1四半期決算が市場予想を下回る見込みだ」と述べた。また、「『アップル・インテリジェンス』というAI機能の発表が遅れており、大規模なアップグレードサイクルを引き起こすという期待は高すぎる」と説明した。

さらに「ループ・キャピタル」もアップルへの投資判断を「買い」から「保有」に引き下げた。

同社のアナリスト、アナンダ・バルア氏は「iPhoneの需要が大幅に減速する兆しがある」とし、「生成AIの機能がiPhone 16の販売増加にはつながらなかった」と指摘した。「率直に言えば、アップル・インテリジェンスの発表内容に失望した」とし、「新しいAIアシスタントであるSiriは問題が多く、ユーザー体験も期待外れ、文章生成AI機能も評判が良くなかった」と厳しい見解を示した。

一方、JPモルガンのアナリスト、サミック・チャタジー氏はアップル株について「オーバーウェイト」、「買い」の評価を維持しつつも、目標株価を265ドル(約4万1,473円)から260ドル(約4万691円)に引き下げた。

同氏は、「中国市場でのシェア率低下、AI機能の制限、ドル高が懸念される」とし、「決算発表前の市場の関心は、今四半期よりも今後の見通しに焦点が当たっている」と語った。

アップルは2025会計年度第1四半期(10月~12月)の決算を30日に発表する予定だ。

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