「トランプ関税爆弾の最大の被害者はリップル」
ドナルド・トランプ米大統領がカナダ、メキシコ、中国に対して包括的な関税を課す決定を下したことを受け、仮想通貨市場は軒並み急落している。その中でも、リップルの下落が目立っている。
3日午前4時30分現在、世界の仮想通貨相場を集計する「コインマーケットキャップ」によると、リップルは24時間前と比べて10.97%急落し、2.62ドル(約407円)で取引されている。約1時間前には15%以上急落し、2.51ドル(約390円)まで下落した。リップルが2.5ドル(約389円)台に下落するのは先月14日以来初めてとなる。
一方、同時刻のビットコインは4.03%、時価総額2位のイーサリアムは8.21%の下落率を記録している。
特に、リップルが大きく下落している要因として、これまで相対的に大きく上昇していたことが挙げられる。リップルは昨年11月5日のトランプ大統領の当選以降、最大の恩恵を受けるとの期待から連日上昇傾向を続けてきた。
また、リップルはアメリカ証券取引委員会(SEC)と法的訴訟を展開している。トランプ大統領の当選によって仮想通貨に友好的な人物がSEC委員長に就任する可能性があるとの見方から、訴訟がリップルに有利に働くとの期待感が高まり、価格上昇を後押ししてきた。
しかし、今回の関税措置によりリップルは急落しているものの、過去1か月間で7.89%、1年間では429%の上昇を記録している。
トランプ大統領の当選以降、最大の恩恵を受けてきたリップルが、トランプ政権の関税強行により急激な下落を見せているわけだ。
前日、トランプ大統領はメキシコとカナダに25%の関税を、中国に対しては10%の追加関税を課す行政命令に署名した。この命令は4日から施行される予定だ。
関税が課されることで輸入物価が上昇し、アメリカ国内のインフレ圧力が高まる結果、金利引き下げが困難になるとの懸念が広がっている。