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2025年02月05日水曜日
ホームニュースフィリピン、関税引き下げも効果なし…コメ価格の異常高騰で備蓄米を95円/kgで緊急放出へ

フィリピン、関税引き下げも効果なし…コメ価格の異常高騰で備蓄米を95円/kgで緊急放出へ

引用:EPA通信
引用:EPA通信

世界最大の米輸入国フィリピンが米価急騰を理由に食糧安全保障非常事態を宣言した。

4日、現地紙ザ・フィリピン・スターとロイター通信などによると、フィリピン政府は前日、国内米価格の異常な上昇を受けて食糧安全保障非常事態を宣言すると発表した。

農業長官のフランシスコ・ティウ・ラウレル・ジュニア氏は「昨年12月の一般精米と高級精米の価格が2023年7月の急騰前と比べそれぞれ19%、20%上昇している」と述べ、「異例の米価上昇により食糧物価上昇率が上限目標を超えた」と説明した。

非常事態宣言後、政府は備蓄米を放出し米価の安定化を図る計画だ。今回の措置により、政府は備蓄米を1kg当たり36ペソ(約95円)で地方政府に販売でき、地方政府はこれを1kg当たり38ペソ(約100円)で地域に販売できる。

農業省は、最低30万トンの米が市場に放出されると明らかにした。非常事態は4か月ごとに維持の是非を再検討し、解除するかどうかを決定する。当局は輸入自由化や関税引き下げなど米価抑制に努めてきたが、国内市場では即効性がなかったと説明した。

フィリピンは昨年、米輸入関税を35%から15%に引き下げた。かつて米の輸出国だったフィリピンは、自給よりも輸入に依存するようになり、代表的な米輸入国となった。アメリカ農務省はフィリピンが中国、インドネシアなどを上回り、昨年も世界最大の米輸入国になると予測していた。

米の輸入依存により、フィリピンの食糧安全保障は異常気象や自然災害、ウクライナ戦争などの国際紛争、インドを含む主要米輸出国の輸出制限など、外的要因に対して脆弱になっている。

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