暗号資産(仮想通貨・コイン)イーサリアム(ETH)の価格が13日(現地時間)に3%上昇し、2,600ドル(約39万6,563円)を突破した。
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同期間の暗号資産市場全体の時価総額が1.3%増加したのと比較すると、イーサリアムの上昇率は際立っている。
市場専門家は、この上昇がアメリカで初めて導入される可能性のあるイーサリアムETFステーキングに関連していると分析している。
仮想通貨専門メディア「コインテレグラフ」は、この日のイーサリアム価格が他の暗号資産と比べて大幅に上昇した理由を詳しく報じた。
シカゴ・オプション取引所(Cboe)BZX取引所は、21Sharesの現物イーサリアムETFにステーキング機能を追加する提案を米国証券取引委員会(SEC)に提出した。
このETFが承認されれば、機関投資家は直接ステーキングを行う手間なく、ETFを通じてイーサリアムのステーキング報酬を受け取ることが可能になる。
ブルームバーグのジェームズ・セイファート氏は「承認されれば、アメリカ初のステーキング機能を提供するETFとなる」と述べ、「これは機関投資家に新たな投資機会をもたらすだろう」と分析した。
SECは昨年、21Shares、ブラックロック、フィデリティなどの現物イーサリアムETFを承認している。
しかし当時、複数の資産運用会社はステーキング機能を除外した状態で承認を求めており、SECも株式証明(PoS)ベースの資産を証券とみなす可能性を示唆している。
そのため、今回のCboeの申請が承認されれば、機関投資家の参加がさらに活発化する可能性が高い。従来は直接イーサリアムを保有し、ネットワークにステーキングする必要があったが、ETFを通じて間接的にステーキングが可能になれば、投資の利便性が大幅に向上すると期待される。
イーサリアムの価格上昇には、先物市場でのショートスクイーズ(short squeeze)も影響を与えた。
12日から13日にかけて、イーサリアム先物市場で約3,700万ドル(約56億4,339万円)規模のショートポジションが清算された。同期間のロングポジション清算規模は2,900万ドル(約44億2,381万円)だった。
ショートスクイーズとは、価格下落を予想したトレーダーがショートポジションを取った後、価格上昇により損失を抑えるために買い戻しを行うことで、さらに価格上昇が加速する現象を指す。
市場分析機関「10xリサーチ」は、「イーサリアムは現在、技術的に売られすぎの水準に近く、短期的に3,000ドル(約45万7,636円)まで反発する可能性が高い」との見方を示した。
イーサリアムの相対力指数(RSI)は36レベルまで低下しており、これは過去の価格調整が終了し、反発が始まった地点と類似した水準だ。
10xリサーチは「過去のサイクルでもRSIがこの水準まで低下した際に強い反発が見られた」と指摘し、「現在の市場心理がネガティブであればあるほど、むしろ買いの好機となる可能性がある」と分析した。
同様の見解を持つアナリストもいる。暗号資産アナリストのHCRは「イーサリアムのRSIが強気ダイバージェンスを示しており、取引量が増加すれば2,900ドル(約44万2,320円)突破が可能だ」と述べた。
さらに、2,600ドル(約39万6,618円)付近が強い支持線として機能しており、3,000ドルを突破し、これを支持線として確立すれば、4,100ドル(約62万5,436円)までの追加上昇も排除できないとの見方を示している。
現在、イーサリアムは、ETFステーキング導入への期待感とショートスクイーズ効果により短期的な強気相場を示している。ただし、SECの承認可否が不確実なため、引き続き高い変動性が予想される。
専門家は、投資家はSECの決定と機関投資家の動向を注意深く観察する必要があると指摘している。ETFステーキングが承認されれば、イーサリアムの機関投資家による採用がさらに加速すると考えられている。