米自動車専門メディア「Carscoops」が、カリフォルニアを拠点とする反ナチ団体によるテスラへのテロ予告を報じた。SANE（Students Against Nazi Extremists）という団体がテスラオーナーに車両の売却を強要しているという。
SANEは12日以降、テスラ車を売却しない場合、レンガなどを使用して車両を破壊すると警告するメッセージを車に残している。この団体は、テスラCEOのイーロン・マスク氏の政治的姿勢を理由にテスラを標的にしている。SANEは、マスク氏がアメリカとドイツの極右団体を支持していると主張し、ナチス式敬礼と誤解されかねないジェスチャーを行ったと批判している。
実際、マスク氏は昨年の米大統領就任式で、右手を斜め上に伸ばすジェスチャーを数回行い、物議を醸した。マスク氏はSNSで「自分の心があなたたちにあるという意味だ」と釈明したが、論争は収まっていない。SANEもマスク氏を「公然たるナチであり、ファシスト、人種差別主義者、女性蔑視者、犯罪者」と断定し、彼の影響力を抑制すべきだと主張している。
SANEはカリフォルニア州全域で少なくとも13台のテスラ車に警告メッセージを残した。一部の車両にはレンガが置かれ、「アメリカにナチはいらない（No Nazis in America）」と書かれたメモも発見された。地元警察は1週間以上この事件を追跡しており、公式声明でテスラオーナーに注意を呼びかけている。警察は、この事件が単なる警告にとどまらず実際の被害につながる可能性を考慮し、捜査を進めている。
この団体の行動が目的を達成するかは不透明だ。マスク氏の政治的姿勢に反対する声は常にあったが、彼が直接対応したことはほとんどない。過去にもテスラ車の破壊事件が報告されたが、テスラの人気が打撃を受けたことはなかった。今回の事態も、マスク氏やテスラに直接的な影響を与える可能性は低いとメディアは報じている。