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北朝鮮の国家保衛省が中国製の携帯電話の利用者を内外の情報流出の主犯とみなし、国境地域を中心に該当者に対する厳しい取り締まりを実施していることが13日に明らかになった。
国家保衛省から派遣された取締班は、先月初めから中国と接する平安北道(ピョンアンブク道)、慈江道(チャガン道)、両江道(リャンガン道)、咸鏡北道(ハムギョンブク道)の4道の国境地域で、中国製携帯電話の使用に対する厳しい取り締まりを行っている。
北朝鮮専門メディアの「デイリーNK」は、身の安全のため匿名を希望した両江道の現地情報筋の話として、「過去1か月間、国境地域の4道で中国製携帯電話を使用して摘発され、逮捕または自首した人数は80人以上に上る」とし、「今回逮捕された人々は、最低10年以上の労働教化刑を宣告されるか、管理所と呼ばれる政治犯収容所に収監される可能性が高い」と伝えた。
実際、北朝鮮当局は中国製携帯電話の使用が発覚した場合、本人だけでなく配偶者や子供たちにまで連座制を適用し辺境地へ追放しているという。
特に国家保衛省は押収した中国製携帯電話に記録された通話履歴はもちろん、中国のモバイルメッセンジャーを通じて思想的動揺を引き起こす外部情報が流入していないかに焦点を当て、その痕跡を把握するためにデジタルフォレンジック調査まで実施しているとされる。
情報筋は「国家保衛省は国境地域の中国製携帯電話の利用者を徹底的に摘発するよう指示している」とし、「中国製携帯電話の使用禁止は今に始まったことではないが、いくら厳しく取り締まっても生活がかかっているため、中国製携帯電話の使用は減らず、完全に阻止することは難しいだろう」と述べた。
北朝鮮当局は該当者の取り締まりを進める一方で、自主的に携帯電話を提出し使用事実を自首すれば寛大に処置すると公言しているが、中国製携帯電話の使用で処罰された前歴のある「再犯者」には容赦しないという厳しい方針を掲げている。
これにより北朝鮮と中国間の密輸も萎縮している。実際、中国から輸入品を持ち込んで販売している両江道金亨稷郡(リャンガン道キミョンジク郡)の住民は、「中国の取引先と連絡を取ろうとしているが、中国製携帯電話を使っていた人たちがみな連行されてしまい、連絡が取りづらくなった」と漏らした。
中国製携帯電話を使用している人々のほとんどが中国との密輸に関わっていたり、海外送金を手伝う人々であり、彼らが取り締まりを受けたり姿を消しているため、密輸で生計を立てている住民たちの被害と不満が増大していると情報筋は伝えた。
中国製携帯電話使用の取り締まりが強化されるほど、住民の経済活動が萎縮し、生活に直接的な打撃が加えられるため、内部の不満が高まることは避けられないと見られる。
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