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米政府、復職進めるも多数と連絡取れず
上院議員、ライト・エネルギー長官に懸念表明
ドナルド・トランプ大統領の指示により、イーロン・マスク氏が率いる政府効率化部(DOGE)が進める米連邦政府の再編過程で、核兵器管理官数百人が解雇された。しかし、政府はその後その重要性に気付き、急遽解雇を撤回し復職を進めているものの、現在も多くの職員と連絡が取れない状況が続いている。
米主要メディアによると、トランプ政権はエネルギー省(DOE)の再編の一環として、傘下の国家核安全保障管理局(NNSA)職員1,800人のうち、約300人を13日夜に解雇した。解雇された職員は政府のメールアカウントを剥奪され、その理由は「低業績」とされている。解雇されたのは主に1〜2年の試用期間中の職員で、再編の進展に伴い、今後の影響が懸念されている。
CNNは匿名の情報筋を引用し、政権交代後にDOEに着任した政治任用の高官らが、低業績を理由にNNSAの試用職員を解雇するよう人事部門に迫り、これに抗議した人事担当者2名が辞表を提出したと報じた。NNSAは核兵器管理を担う機関で、その設立目的は「核科学の軍事応用による国家安全保障の確保」とされている。
関係者によると、再編を実施した者たちはNNSAの任務について十分に理解していなかったとされ、トランプ政権はその重要性に気付き、解雇通知の翌14日朝から解雇撤回と復職を進めている。しかし、解雇された職員の多くとは現在も連絡が取れていないという。
NBCによると、NNSA職員に送られたメールには「一部の試用職員への解雇通知が撤回されたが、これらの職員との連絡手段がない」と記されていた。
テレサ・ロビンスNNSA長官代行は14日朝の内部会議で、解雇された試用職員の解雇取り消しを指示したと伝えられている。
ある情報筋は、「DOEがNNSAの核兵器管理任務を十分に理解していなかったようで、議会は驚いている」と述べ、さらに「核抑止力は米国の安全と安定を支える重要な要素であり、少しでも問題が生じれば極めて深刻な事態を引き起こす可能性がある」と警告した。また、別の情報筋は、上院議員らがDOEのクリス・ライト長官を直接訪問し、懸念を表明したと報じている。