
北朝鮮当局が核・ミサイル開発に使用する部品や材料を民間産業用または研究用と偽って輸入していることが17日明らかになった。
北朝鮮専門メディア「デイリーNK」は匿名を条件に北朝鮮内部の情報筋の話として、「12日、海外派遣された(北朝鮮の)貿易会社に対し、ミサイル誘導・制御システム、弾頭、エンジン開発の完成度を高めるための精密部品や特殊合金サンプルの輸入活動に積極的に協力するよう、労働党の軍需工業部から指示があった」と伝えた。
情報筋によると、この指示は同日、ミョンアン貿易会社やドンミョン技術貿易会社など海外に支社を持つ北朝鮮の貿易会社に通達された。これらの会社はそれぞれロシアとラオスで北朝鮮のIT人材を活用した外貨獲得事業を主導し、核・ミサイル開発資金を調達しているという。
情報筋は「今回の軍需工業部の指示で、幹部らは精密部品さえあればミサイルを完璧に製造できるという自信を見せている」とし、「軍需工業部が綿密な計画の下、こうした材料の輸入を迅速に進めるとみられる」と語った。
さらに「今年上半期の軍需部門の重点課題は、ミサイル誘導・制御装置の精密化だ」とし、「今回輸入する部品はミサイルの攻撃精度の向上に不可欠な役割を果たすだろう」と述べた。
情報筋はまた、「北朝鮮の軍需工業部は今回の指示で『我々は他国同様、合法的な貿易を行っているだけだ』とし、『貿易会社が輸入を支援するのは当然のことだ』と強調した」と伝えた。
北朝鮮の党軍需工業部は、ロシアや東南アジアから精密機械部品や半導体を一般電子機器製造用と申告して輸入し、これらをミサイル誘導・制御システム開発に転用する計画だ。
北朝鮮が用途を偽って持ち込む高性能半導体やマイクロコントローラは、弾道ミサイルの誘導・制御装置の開発に使用されるとみられている。
研究用と偽装して輸入する特殊合金や耐熱性炭素繊維化学物質は、ミサイル弾頭の強化や推進剤の性能向上に用いられる予定だという。
北朝鮮の労働党軍需工業部がこれらを上半期の重点輸入品目に指定したため、関連機関がすでに調達作業に着手したと伝えられている。このように北朝鮮当局は、民間産業用や研究用と偽装して核・ミサイル開発に使用される部品や材料を輸入することで、対北制裁の無力化を図っている。
ロシアや東南アジアを通じて輸入された、あるいは今後輸入される精密機械部品や半導体、特殊合金などは、近い将来すべて北朝鮮の核・ミサイルの性能向上に活用されるとみられ、国際安全保障に深刻な脅威をもたらすとの懸念が高まっている。