米証券取引委員会（SEC）とリップル（XRP）の訴訟が長期化し、市場の不確実性が高まっている。
法律専門家のメタローマン氏は最近、この訴訟の解決が予想以上に遅れる可能性が高いと指摘した。
仮想通貨専門メディア「コインゲイプ」は25日（現地時間）、この情報を報じた。
SECは最近、コインベースとロビンフッドに関する調査を終了したにもかかわらず、リップル訴訟については依然として結論を出せていない。
ドナルド・トランプ米大統領の政権以降、SECは暗号資産業界に対してより友好的な規制姿勢を示している。ビットコイン（BTC）現物ETFの承認や主要な暗号資産企業との法的紛争の解決が、その動きを裏付けている。
しかし、リップル訴訟は依然として未解決のままだ。
法律専門家メタローマン氏は最近、X（旧ツイッター）への投稿で「SECがリップル訴訟で早期の結論を出す可能性は低い」との見解を示した。
彼は「リップル事件は、ジェミニ（Gemini）、クラーケン（Kraken）、バイナンス（Binance）などの案件よりも複雑な要素を含んでいる」と述べた。
メタローマン氏は、リップルとSEC間の交渉が遅れている最大の理由として、アニサ・トーレス裁判官の判決とリップルの1億2,500万ドル（約186億6,620万円）の罰金問題を挙げた。
トーレス裁判官は昨年8月、「リップルはXRPの販売について連邦証券法に違反したため、SECに1億2,500万ドルの罰金を支払わなければならない」と判決を下した。
メタローマン氏は「リップル訴訟は、最終判決が下された唯一の暗号資産関連事件だ。そのため、SECとリップル側の弁護団は既存の判決と罰金問題の調整に時間を要している」と説明した。
リップル訴訟の遅延の要因として、SEC内部の利益相反疑惑も指摘されている。
米政府監視団体のエンパワー・オーバーサイトは、元SEC理事のビル・ヒンマン氏がイーサリアム（ETH）に有利な発言をしたことにより、利益相反が生じた可能性があると主張している。
ヒンマン氏はSEC在職中、ビットコインとイーサリアムのみが証券ではないと発表したが、この発言が特定の企業や投資家に有利に働いたという問題が提起された。特に、ヒンマン氏が勤務していた法律事務所シンプソン・サッチャーがイーサリアム関連企業と関係していたことが論争の中心となっている。
EOは、「ヒンマン氏がSEC退職後もシンプソン・サッチャーから高額の報酬を受け取り、その過程でリップルに対する否定的な立場を維持していた」との疑惑を提起した。
もし米監察総監室（Office of the Inspector General）が利益相反の存在を公式に確認すれば、SECはリップル訴訟で不利な立場に置かれる可能性がある。
最近SECは、コインベースとの訴訟を棄却し、ロビンフッドに対する調査を終了した。これと並行して、SECは複数の投資会社が提出したリップルETF（上場投資信託）の申請を検討している。
代表的な企業として、グレースケール（Grayscale）、コインシェアーズ（CoinShares）、カナリー・キャピタル（Canary Capital）、21シェアーズ（21Shares）、ビットワイズ（Bitwise）などがリップルETFの承認を推進している。
SECが以前より柔軟な姿勢を見せていることから、リップルETFの承認可能性が高まっているとの見方も出ている。
法律専門家のジェレミー・ホーガン氏は「リップル訴訟は4月か5月までには決着する可能性がある」との見通しを示した。
彼は「SECがリップルETF承認に関連する法的リスクを軽減するために、訴訟を早期に解決する可能性がある」と分析した。