マスク氏、初の閣議で副大統領より先に発言…トランプ大統領「彼に不満はあるか」
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26日、ドナルド・トランプ米大統領が先月の就任以来、ホワイトハウスで初の閣議を招集した。トランプ大統領の向かいにはJ・D・ヴァンス副大統領が、両脇にはマルコ・ルビオ国務長官とピート・ヘグセス国防長官が並んで座っていたが、この日の閣議での閣僚の公開発言の順番は、全閣僚を差し置いて、政府効率化省(DOGE)の責任者でもありテスラCEOのイーロン・マスク氏に回った。
トランプ大統領は閣議の冒頭発言で、ウクライナの停戦交渉問題や、28日にウォロディミル・ゼレンスキー大統領が訪米する際にウクライナと鉱物協定を結ぶ予定であることを伝え、不法移民の追放成果、インフレ対策などに言及した後、「そしてここにイーロン・マスクがいる」と述べ、「彼はこれまでに素晴らしい成果を上げており、政府の予算の無駄遣いや汚職問題の調査でも重要な役割を果たしている」と評価した。
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全員が正装の閣議室で、マスク氏だけが「技術支援(Tech Support)」と書かれたTシャツを着たカジュアルな服装に、「MAGA(米国を再び偉大に)」という文字が書かれた黒い帽子をかぶっていた。
トランプ大統領がマスク氏に発言を促すと、マスク氏は「政府の多くのシステムが極度に老朽化しており、相互に連携しておらず、多くのエラーがある。また、ソフトウェアが適切に機能していない。このプロジェクトの最終目標は、巨額の財政赤字を解消することだ」と述べ、「これが私がこの仕事をしている理由であり、多くの批判を受け、さらには殺害の脅迫まで受けているが、必ずやらなければならない仕事だ。そうしなければ米国は破産する」と語った。
その後、トランプ大統領は記者団に「イーロン氏に質問があればどうぞ」と言い、記者たちはマスク氏との質疑応答を続けた。マスク氏は「トランプ大統領は歴史上最も優れた内閣を構成したと思う」と述べ、「本当に優秀な人材で構成されたチームであり、これほど有能な人々で構成された政府組織が過去にあったかどうか分からない。私はこの内閣が国にとって最高のチームだと確信している」と語った。閣僚らはマスク氏が記者団と約10分間質疑応答をする様子を見守った。この日の閣議で記者団とこのような質疑応答を行った他の閣僚はいなかった。
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トランプ大統領は会議開始から56分が経過して初めてJ・D・ヴァンス副大統領に発言の機会を与え、ヴァンス副大統領は36秒間発言した。トランプ大統領は会議中に閣僚たちを見回し、「イーロン・マスクに不満がある人はいるか。いれば追い出す」と尋ね、メディアカメラの前で公然とマスク氏に対する内閣の支持を確認しようとした。
CNNは「トランプ大統領の初の閣議はマスク氏の権力を示す舞台に過ぎなかった」とし、「マスク氏は疑いの余地なくトランプ大統領の最も強力な側近となった」と伝えた。