
世界最大のファウンドリ企業であるTSMCは、今後4年間で米国内の半導体工場に約1,000億ドル(約14兆9,870億円)を投資する計画を進めており、この計画についてドナルド・トランプ大統領が3日(現地時間)遅くにホワイトハウスで発表する予定だ。
3日(現地時間)、ブルームバーグとロイターによると、AI向け先端半導体生産のトップ企業であるTSMCは、昨年米国内の半導体工場への投資を650億ドル(約9兆7,412億円)に増額すると発表していたが、今回さらに投資規模を拡大することを決定した。この動きは、トランプ大統領の「AI分野で米国が圧倒的優位に立つ」という公約の実現を後押しするものとみられる。
トランプ大統領は、台湾が米国のチップ産業を奪ったと非難し、外国製の半導体への関税賦課を示唆してきた。また、米高官らは国内での先端半導体生産を促進する意向を強調している。
トランプ大統領は、CHIPS法を通じて補助金で外国の半導体企業を誘致してきたバイデン前政権とは異なり、補助金ではなく関税による圧力を用いて米国の半導体産業の復活を目指す姿勢を示した。2022年に成立したCHIPS法により、TSMCはフェニックスの3つの工場への支援として66億ドル(約9,891億円)の補助金を獲得している。
TSMCは昨年、2028年に生産開始を予定している第2アリゾナ工場で、世界最先端の2ナノメートル技術を導入することを決定した。さらに、アリゾナで最先端のチップ製造技術「A16」を採用することで合意している。
トランプ大統領の前政権時代も、国家安全保障上の懸念からTSMCの米国誘致が進められていた。2020年にTSMCが米国での先端工場への投資を初めて発表した際、トランプ政権の高官は台湾のチップメーカーが製造するチップが「AIからF-35戦闘機まで、あらゆるものを動かす」と述べていた。