国技である相撲の力士減少が加速している。1990年代のピーク時と比べてほぼ半分に減少した。「今後、相撲は存続できるのか」という疑問すら出ている。
3日、日経新聞によると今月の春場所に登録された力士は588人で、平成(1989~2019年)以降最も少ない数となった。史上初の兄弟横綱「若貴兄弟」ブームがあった1994年の夏場所(943人)と比べて60%規模に減少した。今後さらに半分に減少する可能性も大きいとの予測がある。
先月、東京・両国国技館で少年相撲大会「白鵬杯」が開催された中、2027年から全国中学校体育大会で相撲が消えることを懸念する声が相次いだ。「練習しても結果を出せる大会がなければ、相撲をする子供が減るだろう」という懸念が広がっている。日本中学校体育連盟によると、昨年の中学校での相撲部設置率はわずか1.7%だった。
力士の数も減少している。今年の春場所の力士数は25年前と比べて21%減少した。昨年、日本で生まれた子供は約72万人で、9年連続で過去最少だった。出生数の減少は力士の予備軍がさらに減ることを意味する。外国人力士の入団が相撲部屋ごとに1人に制限されている中、「人口1億人」の崩壊が迫る2050年にはピーク時の半分である464人程度に縮小すると見られている。

昭和時代(1926~1989年)において、収入源となるプロスポーツは野球や相撲であった。若貴兄弟の父であり、元大関である貴ノ花は、水泳でオリンピックを狙える実力を持っていたが、「水泳では食べていけない」として相撲界に入ったのは有名な逸話である。
平成時代が始まると、1993年にJリーグが開幕するなどプロスポーツが多様化した。集団生活などの古い習慣が残っており、不祥事が絶えない相撲は令和時代(2019年~)、若い層に選ばれなくなってきている。
待遇面でも魅力が不足している。昨年の力士の年俸1位は大関琴桜で、1億4,581万円であった。2023年末にアメリカのメジャーリーグの「看板スター」大谷翔平がLAドジャースと10年総額約1,000億円の契約を結んだことと比較すると、その差は大きい。相撲界では「野球でこんな夢のようなお金をもらえるようになると、相撲はますます厳しくなるだろう」という話が出ている。
日本相撲協会は最近、年齢や体格などの入団条件を緩和したが、新入生は増えていない。協会には、さらに危機意識を持つべきだとの声が絶え間なく上がっている。力士が第二のキャリアに進むための支援制度が整っていないことが、最大の課題だという指摘がある。特に給料をもらえない幕下以下の力士は辞める場合、十分な貯金もなく次の職を探さなければならない。
対策としては、第二のキャリアのための高校学業支援やアマチュア相撲の拡大などが挙げられる。原則として不可能な力士の相撲部屋の移籍を認めるべきだという声もある。