
ウクライナの捕虜となった北朝鮮軍の捕虜が、北朝鮮国内に韓国・ソウルをはじめ済州島までの地形を模した訓練場があると証言したことが6日に明らかになった。これは北朝鮮が南侵を準備している実質的な証拠と見られる。
韓国「国民の力」のユ・ヨンウォン議員は、この日SBSのラジオでこの内容を含む北朝鮮軍捕虜リ氏の肉声録音を公開した。ユ議員は最近ウクライナに訪問し、北朝鮮軍の捕虜らと面会している。
リ氏は「北朝鮮の黄海道谷山(ファンヘド・コクサン)にある武力部訓練場には、韓国ソウルの鍾路(チョンノ)や釜山(プサン)、大邱(デグ)、全州(チョンジュ)、済州島の地形を模した建物が多数ある」と明かした。
北朝鮮に韓国国内の場所を模した訓練場があることは知られていたが、具体的な模倣場所と訓練場の位置が特定されたのは今回が初めてだ。ユ議員は「これは南侵に備えた訓練だ」と主張した。
さらに、ユ議員はリ氏から北朝鮮軍がロシアのウクライナ侵攻への派兵を通じて、ドローン研究の必要性を強く認識しているという証言も得た。これに関連し、韓国の国家情報院も前日、派兵された北朝鮮軍がロシアからドローンの操縦と戦術を伝授されている状況を把握したと発表している。
一方、北朝鮮軍の捕虜らは韓国への亡命意思を表明しており、韓国とウクライナ当局間で協議が進められている。メディアを通じて、ウクライナが武器の取引を条件として提示したり、捕虜が米国に移送される可能性があるという説が浮上しているが、韓国外交部は憲法上韓国国民である以上、速やかに韓国へ送還すべきだとの立場で協議を進めていると述べた。この件に関しては、現時点で両国間に大きな立場の差は見られないとされる。