暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)が大幅に下落した。11日(日本時間)午前、一時2ドル(約296円)を割り込み、市場全体の不安が反映された。
今回の下落の主因は、ホワイトハウスが主催した仮想通貨サミットが投資家の期待に応えられなかったことだ。

XRP、戦略的ビットコイン準備金から除外… 市場の失望感が拡大
ドナルド・トランプ米大統領は8日(現地時間)、仮想通貨サミットで新たな大統領令を発表した。
この命令は戦略的ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)の設立を含むが、政府が直接ビットコインを購入するのではなく、犯罪および民事没収手続きで得たビットコインのみを対象としている。
市場は政府による直接的な暗号資産購入という積極策を期待していたが、今回の措置は予想以上に消極的だった。
特にXRPは、トランプ大統領がサミット直前にSNSで言及した暗号資産だったにもかかわらず、戦略的準備金に含まれなかった。これによりXRPへの投資心理が急速に冷え込んだ。
この失望感は既存の金融市場の不安定さと相まって深刻化した。現在、暗号資産の恐怖・強欲指数は「極度の恐怖」を示しており、投資家のリスク回避姿勢が強まる中、下落傾向が加速している。
長期的展望も不透明…時価総額と実質価値の乖離を指摘
市場全体が弱気な中、XRPの将来展望も不透明だ。XRPは銀行および国際間決済ソリューションを提供する実用的な暗号資産と評価されているが、現在の時価総額1,212億ドル(約17兆9,406億円)はその価値を過大評価しているとの指摘がある。
XRPの中核技術であるリップルネット(RippleNet)は既存の金融システムとの連携を重視しているが、規制の不確実性や競争激化により成長の余地が限られる可能性がある。さらに、米証券取引委員会(SEC)との法的争いが完全に解決していない点も、追加的な変動要因となりうる。
専門家は、現在の市場環境下でXRPへの投資には慎重なアプローチが必要だと助言している。過去にXRPは市場調整後に回復を見せたが、今回の下落が一時的な調整なのか、それともより大きな下落の前兆なのかを見極めることが重要だ。
専門家は投資家に対し、短期的な市場変動よりも長期的なファンダメンタルズに注目するよう促しており、XRPが今後金融システム内で実質的な採用を拡大できるかどうかが鍵になると強調している。