
2月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る上昇にとどまり、ニューヨーク株式市場は急落から一部持ち直した。
12日(現地時間)、ニューヨーク証券取引所で、ダウ工業株30種平均は82.55ポイント(0.20%)下落し、4万1,350.93で取引を終えた。一方、S&P500指数は27.23ポイント(0.49%)上昇し5,599.30に、ハイテク株中心のナスダック総合指数は212.36ポイント(1.22%)高の1万7648.45で引けた。
前日の急落から一転、2月CPIの上昇率が予想を下回ったことで投資家心理が改善した。米労働省が発表した2月のCPIは前年同月比2.8%上昇した。前月(3.0%)から伸びが鈍化し、ブルームバーグがまとめた市場予想は2.9%だった。前月比では0.2%の上昇だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年同月比3.1%上昇した。前月の3.3%から改善し、予想の3.2%も下回った。前月比では0.2%上昇し、これも前月の0.4%や予想の0.3%を下回った。
市場専門家らは、2月のCPI数値を受けて楽観視を控えている。2月のCPIには関税の影響がほとんど反映されておらず、今後の物価上昇の可能性が残るためだ。専門家らは、トランプ第1期政権時の洗濯機関税の例を挙げ、関税が商品価格に影響を及ぼすまで2~3か月かかるとみている。
実際、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウォッチによると、5月までの利下げ確率は2月CPI発表後、前日の37.4%から28.8%に低下した。これは今後数か月間の物価上昇リスクを市場が織り込んでいることを示唆している。
ブルームバーグは「2月のCPIは裁量的消費財への需要弱化を示している」とし、「他の指標で明確に見られる支出減少を反映している」と報じた。
前日急落したハイテク株は一斉に反発した。
ドナルド・トランプ大統領がイーロン・マスク氏の率いるテスラへの不買運動や攻撃を容認しない姿勢を示した後、テスラ株は7%超上昇した。
エヌビディアも買い戻しが入り6.43%急騰した。米メディアは同日、エヌビディアがインテルの米国ファウンドリー(委託生産)施設運営のための合弁投資コンソーシアムに参加すると報じた。
インテルも4.55%急騰した。世界最大のファウンドリー半導体メーカーである台湾のTSMCが米企業とコンソーシアムを組み、インテルのファウンドリー部門を運営するとの報道を受けてのものだ。