リアル・ビジョンのCEOで、元ゴールドマン・サックス幹部のラウル・パル氏が、ビットコイン（BTC）と暗号資産市場が世界的な流動性増加により新たな上昇局面に入ると予測した。
パル氏は11日（現地時間）、X（旧Twitter）を通じて110万人のフォロワーに向け、ビットコインと世界の通貨供給量（M2）の歴史的関係に言及し、ビットコインが力強い上昇を控えていると分析した。
「これも過ぎ去るだろう。2024年第4四半期にドル高と高金利で流動性が縮小し、仮想通貨市場は調整を受けたが、今や金融環境は急速に緩和され、M2も新たな高値を目指している。これは単なる調整に過ぎない」と語った。
パル氏はビットコインが2017年と類似した価格パターンを示していると指摘した。
当時、ドナルド・トランプ大統領が初の任期を開始した際、ビットコインは急激な調整を経験したが、その後連続的なラリーを展開した。
「2017年と同様の調整が起きた。当時もトランプ政策（ドル高と金利上昇）への市場反応が原因だったが、その後反発した」と説明した。
さらに、パル氏はビットコインが長期的な価格動向を示すログ回帰チャンネル（logarithmic regression channel）内で上昇を続けるとの見解を示した。
「時間とともに、我々は引き続きログ回帰チャンネルに沿って上昇している。現在の主要チャンネル（赤色）内に留まるか、1～2標準偏差上昇するかは、今回のサイクルの展開次第だ」と述べた。
パル氏の主張のように、世界の流動性とビットコイン価格の相関関係を研究した事例は過去にも存在する。
2021年3月、ブルームバーグは「米連邦準備制度理事会（FRB）の大規模な量的緩和（QE）がビットコインの強気相場を促進する」との分析を発表した。当時、M2の増加率が過去最高を記録し、ビットコインは6万4,000ドル（約945万7,631円）まで上昇した。
2020年、暗号資産データ分析会社グラスノードも「M2の増加率が高いほど、ビットコインの上昇可能性が高まる」と発表した。同社の報告書では「法定通貨供給が増えると、価値保存手段としてのビットコインの魅力が高まる」と分析していた。
これらの事例を踏まえると、パル氏の予測通り、世界的な流動性拡大がビットコイン市場にプラスの影響を与える可能性がある。
一方、FRBの金融政策緩和の有無は今後のビットコイン価格を左右する重要な要因となる見通しだ。FRBが金利を据え置くか引き下げれば、市場に流動性が追加供給され、ビットコインがさらに上昇する可能性があると考えられる。