暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)市場が徐々に買い意欲を取り戻している。
特に、大口投資家が再び買いに進んでいることで、市場の反発の可能性が高まっている。
一方、最近の下落傾向により個人投資家は依然として慎重な姿勢を崩していない。

オンチェーン分析プラットフォーム「クリプトクオント」の最新データによると、バイナンスで発生した大規模な売却圧力が徐々に緩和されつつある。
ビットコイン価格が8万ドル(約1,182万6,765円)水準で推移しており、大口投資家にとって魅力的な買い場となっている。
クリプトクオントの寄稿者ダークポスト氏は、12日(現地時間)に投稿したブログ記事で「バイナンスにおける上位10の入金量のうち、『クジラ』が占める割合が減少した」と指摘した。
一般的に、取引所へのビットコイン入金は売却を目的とする動きと解釈される。
ダークポスト氏は「『クジラ』の動向を注視することは、市場の変動性を把握する上で常に重要な役割を果たしてきた」とし、「バイナンスは取引量が最大の取引所であるため、バイナンス内のビットコイン『クジラ』比率を分析することで、全体的なクジラの活動を推測できる」と説明した。
実際に、バイナンスの「クジラ」比率は1月中旬以降、一貫して下降傾向を示している。
ダークポスト氏は「現在、この比率が減少していることは、バイナンスの『クジラ』が売却圧力を弱めていることを意味する」と付け加えた。
過去の傾向を見ると、バイナンスの「クジラ」比率が上昇すると短期的な調整や横ばい相場が発生し、逆に減少すると市場が強気に転じることが多かった。
そのため、売却圧力が引き続き減少するならば、現在の調整局面が終了し、市場反発が始まる可能性が高い。
コインテレグラフによると、10BTC以上を保有する「クジラ」や機関投資家が、今月に入って再びビットコインの蓄積を開始した。ただし、そのペースはまだ緩やかな水準にとどまっている。
ビットコインに対する全体的な投資心理は依然として慎重なままだ。
オンチェーン分析会社グラスノードは、最近発行した週次報告書『ザ・ウィーク・オンチェーン』の中で、現在の価格帯での需要が鈍化していると分析した。
報告書では、短期保有者(STH)の資金フローに注目している。短期保有者は通常6か月以内にコインを売却する投資家を指し、そのうち1週間〜1か月の保有者の平均購入単価が、1〜3か月の保有者よりも低くなった。
これは最近ビットコイン価格が9万5,000ドル(約1,404万4,284円)を下回ったことで、該当期間の平均購入単価が下落したことを示唆している。その結果、短期保有者の資金フローが純流出に転じたとグラスノードは説明している。
「クジラ」が買い意欲を示し、市場反発を導いた事例は過去にも確認されている。
2021年7月、ビットコインが3万ドル(約443万5,037円)前半まで下落した際、機関投資家や「クジラ」が大量買いを行った。その後、ビットコインはわずか3か月で6万9,000ドル(約1,019万9,908円)まで上昇した。
また、2020年3月の新型コロナウイルス感染拡大によってビットコインが4,000ドル(約59万1,299円)まで急落した際も、同様のパターンが見られた。当時、主要な「クジラ」や機関投資家が底値買いを実行し、ビットコインは迅速に回復した。年末には2万ドル(約295万6,495円)を突破した。
現在、バイナンス内の「クジラ」の売却圧力が減少し、一部の大口投資家が再び買いに出ている。この流れが続けば、ビットコインは調整を終えて反発局面に入る可能性が高い。ただし、依然として個人投資家の慎重な姿勢が続いており、全体的な買い意欲が強く流入していない点は不確定要素として作用する可能性がある。
専門家は「今後の市場動向は、大口投資家の追加買いの有無や短期保有者の心理変化に左右されるだろう」との見方を示している。