米証券取引委員会(SEC)がリップル(XRP)、ソラナ(SOL)、ライトコイン(LTC)、ドージコイン(DOGE)など主要な暗号資産(仮想通貨)を基にした上場投資信託(ETF)の承認決定を再び延期した。

コインテレグラフによると、SECは11日(現地時間)、これらの仮想通貨発行体のETF上場を可能にする規則変更の決定には、さらなる審議が必要だと表明した。
この決定により、グレイスケールのリップルETFやCboe BZX取引所のソラナ現物ETFなど、主要ETFの承認判断は5月まで延期されることとなった。
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は同日、X(旧Twitter)で、「SECの今回の決定は予想されたものであり、特に懸念する必要はない」と指摘した。
セイファート氏は「SECが複数のアルトコインETFの承認決定を延期したが、これは通常の手続きの一環であり、承認の可能性に関する既存の見通しを変えるものではない」と述べた。
また、ドナルド・トランプ米大統領がSEC委員長に指名したポール・アトキンス氏が、まだ正式に承認されていない点にも言及した。
同じくブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏も「イーサリアム(ETH)のステーキングおよびインカインド償還方式を含むETFを含め、すべてが延期された」と指摘した。
SECが暗号資産ETFの承認決定を延期したのは今回が初めてではない。先月28日には、Cboe取引所が申請したイーサリアムETFオプションの上場に関する決定も延期されている。
これはトランプ大統領の再選および前SEC委員長ゲイリー・ゲンスラー氏の辞任後、急増したアルトコインETF申請を審査する過程で取られた措置だと考えられる。
ゲンスラー氏のSEC在任期間(2021年~2024年1月20日)は、暗号資産業界に対する厳格な規制で知られていた。彼の任期中、SECは100件以上の暗号資産関連の規制措置を実施した。しかし、ゲンスラー氏の辞任後、SECの規制姿勢が緩和されているとの見方が出ている。
実際、先月26日には暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)に対する訴訟が却下され、4日には暗号資産トレーディング会社カンバーランドDRW(Cumberland DRW)に対する法的措置も取り消された。
現在、SECの暫定委員長を務めるマーク・ウエダ氏は、暗号資産企業を代替取引システム(ATS)規制の対象に含める規則変更案の撤回を提案している。これは、SECが以前ほど暗号資産産業に対して敵対的でない姿勢を示す可能性を示唆している。
SECの今回の決定が暗号資産市場に与える影響はいまだ不透明だ。専門家は、今回延期されたETF申請が10月の最終期限までにどのような進展を見せるかによって、市場の反応が変わるだろうとの見解を示している。