
インド系米国人ジャーナリストがインド企業を批判する記事を執筆した後、インド政府により海外在住インド人に付与される市民権が取り消されたことが明らかになった。
英紙ガーディアンの14日(現地時間)の報道によると、米国で活動するインド系ジャーナリストA氏は2023年12月初旬、インド内務省から「海外インド市民権(OCI)」の取り消しを通知する書簡を受け取った。書簡では、インド内務省がOCI取り消しの理由として「A氏が適切な承認なしに報道活動を行い、悪意を持ってインドを悪く評判した」点を挙げた。
A氏側は「内務省は他の具体的な内容には言及しなかったが、OCI取り消しの時期がA氏のインドのサイバーセキュリティ関連企業B社を批判する記事執筆直後で、インドで名誉毀損訴訟を起こされた時期と一致している」と主張した。
A氏はB社がインドと他国のネットワークをハッキングして得た機密情報を売却し、不正利益を得ているという趣旨の記事を執筆した。しかしB社側は、記事の内容が事実と異なると反論した。
OCIがなければ、A氏はインドを訪問することができない。A氏はインドでは報道活動を行ったことがなく、インドにいる家族に会うためだけに訪問していたとされる。
A氏はインド政府にOCI取り消しの理由について説明を求めたが、1年経っても回答がなく、最終的にインド政府を相手取り訴訟を起こした。最近、ニューデリーの裁判所で初公判が開かれ、A氏側の弁護士は「内務省が誤ってOCI取り消しを決定したようだ」とし、「裁判で事実が明らかになれば、OCIは回復されるだろう」と述べた。