「コメ高騰」、備蓄米放出も効果なし…10週連続の上昇はなぜ?

国内で「令和のコメ騒動」が長期化する中、18日、東京港区のあるスーパーのコメ売り場では、ところどころ空になった棚が目立った。空の棚には「コメ供給不安のため、お一人様1点のみ」との案内が掲示されていた。
政府は前例のないコメ不足に対応するため、21トンの備蓄米放出を決定した。しかし、国内のコメ価格は10週連続で上昇を続けており、市場では「備蓄米の放出だけでは価格高騰の抑制には限界がある」との声が上がっている。
農林水産省が18日に発表したデータによると、3月3日から9日まで販売されたコメ5kg当たりの平均価格は4,077円となり、前年同期比で2,000円上昇した。これは10週連続の上昇であり、過去最高値を記録している。
日本では昨夏、米供給不安の影響で店頭からコメが消える「令和のコメ騒動」が発生した。政府は秋の新米出荷による需給安定を見込んでいたものの、コメ価格の高騰は収まらず、年明けになって備蓄米の放出を決定するに至った。
江藤拓農林水産大臣は同日、「備蓄米の入札は想定の範囲内だったが、店頭価格への影響が出るまでには時間がかかる」と述べた。その上で、長期的には増産の促進や輸出の調整、不足時の国内還流といった政策を推進していく方針を明らかにした。
しかし、市場関係者の間では「放出された備蓄米で価格高騰を抑えるのは難しいとの見方が優勢だ。放出量では歪んだ流通過程での不足を補えない」との説明した。
実際、昨年の日本のコメ収穫量は678万トンと前年比18万トン増加したものの、集荷量は215万トンで21万トン減少している。政府が放出を決めた備蓄米と同量が市場から消えた計算となる。
読売新聞は、外食産業と取引する卸売業者が供給安定のために在庫を積極的に確保したり、農家が集荷業者を介さずに直接親族や知人へコメを分配したりする動きがあると報じた。また、一部では投機目的で業者による買い占めが行われた可能性も指摘されている。