
台湾で、女性がベッドをヘアドライヤーで乾燥させている最中に眠ってしまい、乳児が重度の火傷を負って足の指3本を切断する事故が発生した。この事件で女性は実刑判決を受けた。
17日、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)などの報道によると、2023年9月、台湾人のA氏は生後1か月未満の娘の尿でベッドマットレスが濡れたため、乳児を脇に寄せてヘアドライヤーで乾かし始めた。
しかし、その最中にA氏は眠ってしまい、乳児の足が3時間にわたってヘアドライヤーの熱風にさらされた。目を覚ましたA氏は、娘の足が赤く腫れ上がり水疱ができているのを見て愕然とし、慌てて病院に駆け込んだ。
報道によると、乳児は全身の15.5%に1度から2度の火傷を負った。医療チームが緊急処置を行ったものの、組織の損傷が深刻で、左足の指3本を切断せざるを得なかった。

その後、病院側は家庭内暴力センターにA氏を通報し、警察が捜査に乗りだした。A氏は法廷で、重度の産後うつを患い、服薬後に頻繁に眠り込むことがあったと述べた。また、ヘアドライヤーを低温に設定し、乳児がドライヤーから離れていたため、火傷の可能性を予見できなかったと主張した。
しかし、裁判所はA氏が事故を防ぐ基本的な常識を持ちながら適切な予防措置を講じなかった点に過失があると判断し、懲役5か月を言い渡した。
ソウル大学病院の医学情報によると、産後うつ病は出産後4〜6週の間に発症し、抑うつ気分、強い不安感、不眠、極端な体重変化、意欲低下、集中力の低下、自己価値感の喪失や罪悪感などの症状が現れ、日常生活に支障をきたす疾患だ。
産後の女性の10〜15%に見られ、初期は徐々に症状が現れ、時間とともに悪化する。治療を受けなければ数か月から数年続くこともある。症状が重い場合は専門家に相談し、抗うつ薬などの薬物療法や心理カウンセリング、精神療法を受ける必要がある。