
中国の科学者たちがA4用紙の100万分の1の厚さしかない超薄型金属フィルムの製造で画期的な進歩を遂げたと、14日(現地時間)中国の英字紙環球時報が報じた。
この研究は中国科学院物理研究所の研究チームが主導し、その成果を記した論文が12日に科学誌「ネイチャー」に掲載された。
研究チームは革新的な圧着技術を用い、金属フィルムの厚さを6.3〜9.2オングストローム(1オングストローム=0.1nm)まで薄くすることに成功した。
論文の責任著者であるチャン・グアンユー氏は「これは一辺が3mの金属立方体を北京全体を覆う単層シートに平らに伸ばすのとほぼ同じだ」と説明した。
共同責任著者のドゥ・ルオジュン氏は「金属が原子レベルの厚さに圧縮されると、電子の動きが3次元から2次元に変わる」とし、「海を水の薄膜に変えるようなものだ」と例えた。この超薄型金属フィルムは導電性、透明性、機械的強度に優れており、次世代電子技術や量子コンピューティングなど、様々な分野で新たな可能性を開くと期待されている。
特に、この素材はより薄く耐久性の高い折りたたみスマートフォンの画面用透明フレキシブル基板への応用が可能だ。さらに、半導体の体積を1,000分の1に縮小し、電力消費を現在の1%まで削減する潜在能力を持つ。

加えて、このような超薄型金属フィルム技術はエネルギー効率を最大化できるため、環境に配慮した技術開発にも貢献すると予想される。
例えば、省電力の次世代太陽光パネルやバッテリー技術に応用できる可能性がある。これは持続可能なエネルギーソリューションの開発に重要な役割を果たすだろう。
中国の科学者らによる今回の研究成果は、ナノテクノロジー分野で世界的な注目を集めており、今後様々な産業分野に革新的な変化をもたらすと期待されている。