
「チャットGPT製」の履歴書が世界的に「履歴書の洪水」現象を引き起こし、企業が不適格な履歴書を選別するのに平均9日以上を費やしていることが明らかになった。
18日、グローバル人事管理(HR)プラットフォーム「Remote」は、世界の企業リーダーおよび採用決定権者4,126名を対象に実施した調査で、生成AI作成の履歴書が殺到し、企業が不適格な履歴書を選別するのに平均9.24日を要していると発表した。
調査回答者の4分の1は、生成AIの普及に伴い、しばしば処理しきれない量の応募書類を受け取っていると回答。65%は適性のない応募者数が大幅に増加したと感じており、74%はこれを深刻な問題と認識していると答えた。AIの発展により履歴書作成が容易になり、一部の求職者が複数の企業に無差別に応募する「無差別応募」を行っていることが判明した。
回答者の73%が不正確な情報を含む履歴書を確認
無差別応募以外にも、履歴書に不正確な情報が含まれ、採用判断を困難にしている点が問題視されている。回答者の73%は、過去6か月間に生成AIで作成された履歴書に虚偽情報が含まれていたことを発見したと答えた。応募者数が急増する一方で、38%の企業は適切な能力を持つ人材の確保に依然として苦戦していると回答した。AI活用の応募書類増加により、企業は逆に履歴書の精査により多くの時間を費やし、適切な人材の発掘が困難になっていることが判明した。
AI作成の履歴書はAIで見抜く
全回答者の4分の1の企業が、AIによる問題をAIで解決する方法を採用していた。これらの企業は、適切な応募者の発見と選別にAIを活用していると回答し、殺到する履歴書から要件に合致する応募者を迅速に絞り込んでいるという。今回の調査に参加した300社以上の韓国企業のうち、約22%が人材選別にAIを積極的に活用していると回答した。32%は事前評価テストを導入したと答えた。
Remoteの共同創業者兼CEO、ヨープ・ファン・デル・ブルト(Job van der Voort)氏は、「求職者はAIベースのツールを活発に使用し、履歴書提出時の『クイック応募』機能の普及により、要件に合致しない履歴書が大量に届く問題が発生している」と指摘した。「企業は膨大な応募書類から適切な応募者を迅速に選別したり、より適任の人材を見つけるため、新たなAIソリューションを導入している」と述べた。
今回の調査は、Remoteが世界の企業の人材管理動向を把握するため、市場調査機関のCensuswideに依頼した。日本、韓国、オーストラリア、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、スペインの10か国の企業リーダーおよび採用決定権者を対象に実施された。調査では、企業が、応募者数の急増、継続的な地域人材不足、急速に変化する労働市場などにより、効率的な人材採用がますます困難になっていると回答した。