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2025年03月28日金曜日
ホームニュースアメリカへの不信感高まり…フランス政府が全家庭に「安全の手引き」配布、武力衝突・災害対策を強化

アメリカへの不信感高まり…フランス政府が全家庭に「安全の手引き」配布、武力衝突・災害対策を強化

引用:AP通信
引用:AP通信

フランス政府が全家庭に「安全の手引き」を配布する予定だ。この安全の手引きには、武力衝突、保健危機、自然災害などへの対処法が記載されているという。18日(現地時間)、英紙ガーディアンとフランスの放送局ヨーロッパ1などは、フランス政府がフランソワ・バイル首相の承認を得て、今夏前に「安全の手引き」を各家庭に配布する予定だと報じた。

20ページの「安全の手引き」を配布し、「フランスが直面する差し迫った脅威に対する即時行動」を周知するという。フランス政府は脅威として武力衝突、保健危機、自然災害などを挙げている。

報道によると、安全の手引きには緊急時の行動指針を3段階で案内する。①自身と周囲の人々を守る方法、②脅威が差し迫った際の対応、③地域社会防衛への参加方法だ。

①では、自身と家族を守るために互いの連絡先を確保し、水6リットル以上、缶詰10個、懐中電灯と電池、応急医薬品、ラジオ、充電器などで構成される「防災キット」の準備を推奨している。

②では、消防署、警察署、病院などの緊急連絡先を提供し、「核事故時の窓閉め」など状況別の行動指針を示している。そして③では予備部隊や地方当局への参加など、地域社会を守る方法を説明している。

首相府関係者は「自然、技術、サイバー、安全など、あらゆる種類の危機に直面する人々のレジリエンス(回復力)を確保するのが目的」と安全の手引きの意図を説明した。

フランスの安全の手引き配布のニュースを受け、欧州内ではロシアの脅威が続く中、ドナルド・トランプ米大統領就任後の対米不信感の高まりを背景に、自国防衛の備えに乗り出したとの分析が出ている。

先日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は国民向け演説で「現在、国際情勢が劇的に変化している。ロシアのウクライナ侵攻によりフランスと欧州が脅威にさらされている」と述べた。さらに「米国が我々の味方になることを願うが、そうでない場合にも備えなければならない」と強調した。

マクロン大統領はまた、最近フランス東部の空軍基地を訪問した際、核抑止力強化のためラファール戦闘機の追加導入を表明した。そして「我が国と欧州大陸は戦争を回避するため、常に自衛・武装し、備え続けなければならない。今後何が起こるか予測できない。私が望むのは、我々が万全の準備をすることだ」と述べた。

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