暗号資産(仮想通貨)市場において、誤った情報が依然として広まっているとの指摘が出た。
特に、オンチェーンデータよりも感情的で誇張された主張によって市場が揺さぶられているという。

「データを信じるべきだ。根拠のない噂に振り回されるな」
暗号資産分析企業クリプトクォントの寄稿者であるオンチェインド氏は、22日(現地時間)の報告書で「オンチェーンデータが明確であるにもかかわらず、誤った情報が広がっている」と警告した。
同氏は「こうした主張のほとんどは、オンチェーン検証なしに市場の感情によって作られている」とし、「客観的な分析よりも誇張された雰囲気に流されることが多い」と指摘した。
さらに、「データを信頼すべきだ。噂ではなく、出所を確認しオンチェーン指標をクロス検証せよ」と強調した。
ビットコイン長期保有者の売却説、事実と異なる
オンチェインド氏は最近のビットコイン(BTC)長期保有者(Long-Term Holders, LTH)の動きを例に挙げた。
一部では「ビットコイン長期保有者が投げ売りしている」との主張がなされているが、実際のデータはそうではないという。
同氏は「データを見れば推測の余地はない」とし、長期保有者が依然として一貫したパターンを維持していると説明した。
また、ビットコイン非活性供給移動指数(Inactive Supply Shift Index/ISSI)もこれを裏付けている。この指標は長期間動いていなかったビットコインがどれだけ取引されているかを測定するものであり、現時点では長期保有者の売却圧力はほとんどないと分析されている。
「ビットコインの4年サイクル、もはや有効ではない」
仮想通貨市場の主要なナラティブは常に変化している。
代表的なものが「ビットコインの4年サイクル(Four-Year Cycle Theory)」だ。この理論は、ビットコインが4年ごとに半減期を迎え、価格が一定のパターンを繰り返すという仮説である。
しかし最近、この周期がもはや有効ではないとの見方が広がっている。
MNトレーディングキャピタル(MN Trading Capital)の創設者マイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、22日X(旧Twitter)で「ビットコインの4年サイクルは完全に消去すべきだ」とし、「アルトコインははるかに長い周期に入った」と主張した。
また、ビットワイズの最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏も同様の見解を示し、「伝統的な4年周期は終わった」としたうえで、「米国政府のスタンスの変化により、今後暗号資産市場は10年にわたる新たな流れを迎えるだろう」との考えを示した。
「ビットコイン強気相場は終了した」との主張も
さらには、ビットコインの強気相場が終了したとの見解も出ている。
クリプトクォントの創業者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏は、17日「X」で「ビットコインの強気相場は終了した」とし、「今後6〜12か月間は弱気相場または横ばい相場が続く可能性が高い」との見通しを示した。
同氏は「オンチェーン指標を見ると、すべてのデータが弱気相場を示している」と指摘した。特に、市場に新たな流動性が入ってこない状況で、既存の大口投資家が安値でビットコインを売却している点を強調した。