
東京地裁が高額献金受領などで物議を醸している世界平和統一家庭連合(旧統一教会・家庭連合)に対する解散命令の可否を、早ければ今月25日に判決する見通しだと、読売新聞などが3月23日報じた。
報道によると、東京地裁は解散命令を請求した文部科学省と家庭連合に今月25日の出廷を求めた。日本政府は2022年7月に安倍晋三元首相を殺害した犯人が「母親が統一教会に多額の寄付をしたため家庭が崩壊した」と犯行動機を明かした後、家庭連合の高額献金などが社会問題となったことを受け、文部科学省が調査の末、裁判所に解散命令を請求した。
今年1月まで約1年3か月間行われた非公開審理で、文部科学省は高額献金に民法上の不法行為があると主張した。一方、家庭連合側は組織的な違法行為はなく、解散命令の要件に該当しないと反論した。裁判所は家庭連合の現在及び元信者から献金の経緯などを聴取した。
宗教法人法は、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などが宗教法人にあった場合、裁判所が解散を命じることができると定められている。過去に法令違反を理由に解散命令が確定した宗教法人は、1995年3月の地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教など2団体がある。
ただし、これらの団体はいずれも教団幹部が刑事事件に関与していたため、民法上の不法行為が解散命令の根拠となる初めてのケースとなるかが注目されると読売新聞は解説している。
最高裁判所は今月上旬、家庭連合が宗教法人法に基づく政府の調査過程で一部回答を拒否したことに対し過料を科されたことが民法上の不法行為も解散命令の対象になると判断した。
解散命令が確定すれば、家庭連合は税制優遇を受けられなくなる。ただし、宗教活動自体は禁止されず、任意団体として存続可能だ。読売新聞は、東京地裁がどのような判決を下しても、政府と家庭連合の双方が即時抗告できると伝えている。