


アメリカ・イリノイ州シカゴの中心部、一等地に位置するトランプ・タワーはトランプ一族の不動産企業「トランプ財団」の象徴的な資産だ。
「トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー」と名付けられたこの92階建てのビルからは、シカゴ川とミシガン湖の絶景が一望できる。
しかし、トランプは2008年に完成したシカゴ・トランプタワー・プロジェクトで巨額の損失を出し、同じ損失を二重に計上して控除を重複して受けたとして、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)の監査を受けた。
前回の大統領選挙では、民主党が党大会前日にトランプの税金問題を想起させる反トランプ・キャンペーンのスローガンをレーザーで外壁に投影した。一方で、トランプ支持者たちはこのタワーを背景に「MAGA」(Make America Great Again・アメリカを再び偉大に)関連のコンテンツを多数制作した。
このように、トランプの象徴とも言えるこのタワーの目の前が一面緑色に染まった。



海外メディア「AP通信」や「NBCニュース」などによると、「聖パトリックの祝日」を記念する行事が始まった今月15日(現地時間)、シカゴの配管工組合「シカゴ・プラマーズ・ユニオン(CPU)」がシカゴ川を瞬く間に緑色に染めた。
川に浮かべたボートから組合員たちが染料を流し込むと、周囲に集まった観光客たちから一斉に歓声が上がった。
毎年3月17日はアイルランドに初めてキリスト教を広めた守護聖人パトリック(386~461年)を称える「聖パトリックの祝日」だ。
緑色は、聖パトリックがアイルランドの異教徒にキリスト教の三位一体(父と子と聖霊)を説明するために三つ葉のクローバーを使ったという逸話に基づいており、彼を象徴する色となった。
そのため、祝祭日にはアイルランドの人々が緑色の服や装飾を身につけて街を行進し、飲食店には緑色の料理や飲み物が並び、建物には緑色の照明が当てられるなど、街全体が緑色に染まる。
時を経て、この日はアイルランド人の包容力と多様性を祝う日としての意味も加わり、アイルランドのみならず、イギリスやアメリカ、カナダなど世界中でさまざまな形で広がっている。
アメリカのバラク・オバマ元大統領は2012年からホワイトハウス前の噴水を緑色に染め始め、今月17日にはトランプ大統領もホワイトハウスの噴水を緑色にした。


シカゴで行われるこのイベントは1962年に「シカゴ・プラマーズ・ユニオン」所属の配管工たちが川を汚染する下水の出所を特定するために散布した染料が川を緑色に染めたことに由来しており、現在まで63年間続いている。
毎年この時期になると、「シカゴ・プラマーズ・ユニオン」の組合員たちが川に船を浮かべて染料を散布し、この光景を見ようと毎年100万人以上が集まる。
かつては染料が川から抜けにくく、川の水が1ヶ月間も緑色のままだったが、現在では数時間で元の色に戻る方法で行われている。
このイベントで使用される染料は無毒で環境に優しい粉末として知られており、詳細な製法は厳重に秘密にされている。
現地の科学専門メディア「PHYS」によると、この染料が水質汚染や淡水生態系に悪影響を及ぼすのではないかという懸念もあったが、昨年、パデュー大学とイリノイ・インディアナ海洋プログラムの大学院生たちがイベント期間中のシカゴ川の魚の水中活動を調査した結果、何の影響もないことが確認されたという。

