
仮想通貨価格が米国の利下げ観測やXRP(リップル)の法的リスク解消を追い風に一斉に反発した。ただし、1か月前と比べると依然として大幅な下落状態にある。
24日、グローバル仮想通貨情報プラットフォームのコインマーケットキャップによると、午前9時時点でビットコイン価格は8万6,013ドル(約1,295万2,685円)と先週比4.16%上昇した。ビットコイン以外の仮想通貨を指すアルトコインも軒並み回復基調を示した。イーサリアムは前週比5.73%高の1,986ドル(約29万9,071円)、XRPは6.08%高の2.44ドル(約367円)となった。BNBとソラナはそれぞれ3.54%、5.29%上昇し、624ドル(約9万3,968円)、133ドル(約2万28円)となった。
この上昇は、19日(現地時間)に米連邦準備制度理事会(FRB)が年内2回の利下げ可能性を示唆したことを受けたものだ。この日の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を4.25~4.50%に据え置いたが、FRB委員らが年内2回(計0.5%ポイント)の利下げを予想したことが仮想通貨市場にとって好材料となった。
米国のGDP見通しが下方修正されるなど景気の不透明感が高まる中、従来の利下げ見通しを維持したことで、冷え込んでいた投資心理に安心感をもたらした。仮想通貨などのリスク資産は金利低下局面で価値上昇が期待できるためだ。
リップルの法的リスク解消のニュースも反発要因となった。現地時間19日、リップルのCEOブラッド・ガーリングハウス氏は自身のSNSで、米証券取引委員会(SEC)がリップルに対する控訴を取り下げたと発表した。2020年12月にSECが証券取引法違反の容疑でリップルを提訴して以来、約4年間続いた法的争いは仮想通貨業界全体のリスク要因とみなされてきた。このニュースを受け、リップルは一日で14%急騰した。
市場では、仮想通貨価格がすでに底を打ち反発基調が続くとの見方と、一時的な反発に過ぎず世界的な不確実性が続く限り弱気相場が続くとの見方が交錯している。
Xangleのリサーチチームは「FRBの金利据え置き姿勢が続く中、4月の関税賦課や戦争などの地政学的リスクが残っているため、市場は当面、短期的な急騰と急落を繰り返す取引パターンを示す可能性がある」とし、「さらに26日には耐久財の受注、27日にはGDP成長率確定値、28日にはコア個人消費支出(Core PCE)価格指数など米国の主要経済指標の発表が相次ぐため、仮想通貨市場の変動性がさらに高まる可能性が大きい。分割買いやポジション調整など慎重なアプローチが不可欠だ」と分析した。
仮想通貨市場の投資マインドには春風が吹いているようだ。世界の仮想通貨市場の投資心理を示すコインマーケットキャップの恐怖・欲望指数は24日に「31(恐怖)」を記録し、前週(22日)から9ポイント上昇した。恐怖・欲望指数は0~100の範囲で仮想通貨市場の過熱度を判断する。0に近いほど仮想通貨の価格下落と投資家の不安心理が伴う「恐怖」状態を示し、市場が過熱するほど数値が大きくなり「欲望」状態に近づく。