暗号資産（仮想通貨）ビットコイン（BTC）とイーサリアム（ETH）が、今年第1四半期（1〜3月）を低調な成績で終える可能性が高まっている。
市場の反発に時間が限られており、短期間での急激な上昇は難しいとの見方が強い。
イーサリアムは1月から今月26日（米国時間）までに37.98%下落し、2018年以来最大の四半期下落幅を記録している。2018年第1四半期の下落幅は46.61%だった。ビットコインも同期間に6.49%下落し、2020年第1四半期の10.83%下落以来、最悪の第1四半期実績となっている。
スウィフトエックス（Swyftx）の主任アナリスト、パヴ・フンダル氏はコインテレグラフとのインタビューで「第1四半期末までに急激な反発が見られる可能性は低い」と述べた。
暗号資産市場は4月中旬まで不透明な状況が続くと予想されている。
フンダル氏は「世界経済の指標は良好な状態だが、市場は当面方向性を掴むのが難しいだろう」とし、「特にドナルド・トランプ米大統領の関税政策に関する追加発表があるまで、投資家は慎重な姿勢を維持する可能性が高い」と説明した。
一部の専門家は、4月末以降、ビットコインが再び上昇に転じる可能性があると指摘している。
19日、暗号資産アナリストのコリン・トークス・クリプト氏はX（旧Twitter）で「ビットコインは4月30日頃から本格的な上昇を始める可能性がある」と予測した。
スワン・ビットコインのCEO、コリー・クリップステン氏も「ビットコインが6月末までに史上最高値を更新する確率は50%を超える」と分析している。
ビットコインとイーサリアムの第1四半期実績は過去と比較して異例の低水準となっている。2017年以降、イーサリアムは第1四半期平均78.23%上昇し、ビットコインも2013年以降、同期間の平均収益率が51.62%に達していた。しかし、今年はこの傾向が崩れ、予想外の低迷を見せた。
26日午後7時20分（日本時間）現在、ビットコインは8万8,100ドル（約1,329万円）、イーサリアムは2,068ドル（約31万1,979円）を記録し、それぞれ24時間で1.16%、0.13%上昇し、短期的な反発を見せたが、長期的な上昇につながるかは不透明だ。
暗号資産市場全体も下落傾向から抜け出せていない。「コインマーケットキャップ」によれば、今年1月以降、暗号資産の時価総額は11%超減少し、2兆8,900億ドル（約435兆9,856億円）まで縮小した。
昨年末まで市場の見通しは楽観的だった。ビットコインはトランプ氏の11月大統領選勝利後、初めて10万ドル（約1,508万6,007円）を突破し、強い上昇を見せた。しかし、2月以降のマクロ経済の不確実性とトランプ政権の関税政策が投資家心理に悪影響を及ぼし、市場は再び下落傾向に転じた。
ビットコインが10万ドルを下回ったことで、投資家の不安は高まっている。米連邦準備制度理事会（FRB）の金融政策に対する不確実性も市場に影響を与えている。26日現在、暗号資産市場の投資心理を示す「恐怖・強欲指数（Crypto Fear & Greed Index）」は47ポイントを記録し、「中立（Neutral）」の状態を維持している。
今回の第1四半期の低迷が一時的な調整に過ぎないのか、それとも長期的な下落の兆しなのかについての意見が分かれている。ただし、4月以降のマクロ経済要因や政策の変化が市場に重要な転換点をもたらす可能性があるため、投資家は今後の発表に注目する必要があると専門家は指摘している。