
アップルがiPhoneのブラウザで競合他社のブラウザも選択できるよう変更したことで、欧州連合(EU)の巨額な制裁金と命令を回避できる見通しとなった。
25日(現地時間)、ロイター通信はEU関係者の話として、アップルがEUのデジタル市場法(DMA)に基づく売上高の最大10%に達する可能性のある制裁金と、iPhoneブラウザに対する強制的な変更を回避できる見込みだと報じた。
EU委員会は昨年3月からDMAに基づきアップルの調査を行っており、来週初めに調査を終了する予定だ。EU委員会はアップルがiPhoneのウェブブラウザの画面デザインを、ユーザーが競合他社のブラウザや検索エンジンに切り替えることを妨げるように設計したとする疑いで調査を進めてきた。
EUの決定には、アメリカ企業に罰金を科す国に対して関税を課すと威嚇したトランプ米大統領の発言が影響を与えた可能性がある。
DMAは、市場を支配する大手テクノロジー企業に対し、ユーザーがソーシャルメディアプラットフォーム、インターネットブラウザ、アプリストアなどで競合他社を簡単に選択できるようにし、小規模な相手も公平に競争できる環境を整えることを目指している。DMA違反の場合、大手テクノロジー企業に対し、世界全体の年間売上高の最大10%までの罰金を科すことができると規定している。
アップルの事案の争点は、アプリ開発者が自社のアプリストア以外で提供される特典をユーザーに無料で知らせることを、アップルが制限措置を講じて妨げていたかどうかという点だった。メタ・プラットフォームズに関しては、2023年11月に欧州で開始した広告なし有料サブスクリプションサービスが関連している。これに対して欧州の競合他社やユーザーからの批判が高まり、規制当局はメタに無料オプションの提供を求めた。