
マイクロソフト(MS)共同創業者のビル・ゲイツ氏は、人工知能(AI)が今後10年以内に多くの職業を代替し、医師や教師などの専門職も例外ではないとの見解を示した。
ゲイツ氏は先月米NBCのトーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』に出演し、AI技術の急速な発展について語った。
ゲイツ氏によれば、現時点ではまだ専門知識に「希少性」があり、優秀な医師や教師などの人間の専門家に頼る状況が続いている。しかし、今後はAIが無料で提供され、普及が進むことで、これらの職業もAIが担うようになると予測している。彼は、「AIは今後10年で広く普及し、無料で提供されるようになる」と強調した。
さらに、ゲイツ氏はAI技術の進展により、生活のほぼすべての場面でAIが関わる新たな時代が到来すると予想している。AIは医薬品開発や診療向上、気候変動や教育分野において革新的な解決策を提供できる可能性があると期待を示し、この変化が非常に迅速に起きることに警鐘を鳴らした。
AIが進化することで、製造業や農業などの分野では人類が生産活動から解放される一方で、AIによる職業代替に関する意見は専門家の間で分かれている。楽観的な見方では、AIが経済成長を促進し、新たな雇用を創出するとの予測もあるが、最終的には多くの職業がAIによって代替されるという懸念も存在している。
MSのAI責任者であるムスタファ・スレイマン氏は、2023年に著書『近づく波(The Coming Wave)』でAIの影響を長期的に分析し、AIが一時的に人々をより賢く、効率的にすることで経済成長を促進する可能性があると述べている。
しかし、彼も最終的にはAIが人間の労働を代替すると予測している。