
ドナルド・トランプ米政権は4月2日に世界各国を対象とした相互関税の発表を控え、その前日の1日に中国の最恵国待遇を剥奪する法案を発表する見通しだ。
中国中央テレビ(CCTV)は30日、ウェイボーアカウントを通じて、先週ジェイミソン・グリア米通商代表部(USTR)代表とビデオ会議を行った事実を明らかにし、米国が対中恒久通常貿易関係(PNTR)地位を剥奪する内容を含む「2000年米中関係法」改正勧告案について、4月1日に結論が出される見通しだと伝えた。
CCTVは「米国はすでに中国とのPNTR確立のための法案を評価し、改正案を提示すると発表した」とし、「これは中国に対する最恵国待遇を取り消すことを意味する」と分析した。さらに「この問題の結論は4月1日に出る」と述べ、「米国のこの動きが中国と世界の協力に影響を与えることはないだろう」と強調した。
PNTRは米国が正常な貿易パートナーに付与する法的地位であり、国際的には「最恵国待遇」として知られている。米国は2000年に中国をPNTR対象国に指定した。現在、米国のPNTR地位から除外されている国は、ロシア・北朝鮮・ベラルーシ・キューバの4カ国だ。これらの国々には、最恵国待遇よりも高い関税が適用されている。
CCTVは米国が2000年に中国をPNTRに指定した際の根拠となった法案を改正し、相互関税発表の前日にそれを公表することで、中国の最恵国待遇を剥奪しようとしていると報じた。
USTRによる米中関係法改正の動きは1月にトランプ大統領が「米国第一主義実施のための貿易政策覚書」に署名し、中国のPNTR地位について再検討するよう指示したことが発端とされる。USTRは今月初めに発表した報告書の中で、「中国のPNTR待遇に関連する最近の立法提案を検討する」とし、「該当法案の改正に関する勧告を提示する予定だ」と明らかにした。
ただし、USTRの改正勧告案そのものには法的効力がない。PNTR地位を剥奪する改正案が効力を持つためには米議会で法案が可決される必要がある。これに関連し、米下院中国特別委員会は1月に中国のPNTR地位を剥奪する「貿易公正性回復法」を提出した。この法案は、中国のPNTR地位を撤回し、最恵国待遇を適用せず、すべての中国製品に最低35%の関税を課すほか、半導体や太陽光パネルなどの戦略物資には最大100%の関税を課す内容が含まれている。