移民追放で生じた労働力不足に…「青少年で穴埋めしよう」米法案が物議

ドナルド・トランプ米大統領による大規模な不法移民の追放で生じた労働市場の空白を青少年の労働力で補おうとする法案が州議会に提出され、論争を巻き起こしている。
29日(現地時間)英紙ガーディアンは、フロリダ州上院が10代の労働者保護規制を撤廃する内容の法案を審議中だと報道した。

法案には、雇用主が14~15歳の労働者に休憩なしの無制限労働を、16~17歳の労働者には6日連続勤務を課すことを可能にする内容が含まれている。
法案提出者らは、青少年に就労経験を提供することなどを法案推進の理由に挙げている。
しかし、市民団体などは、大規模な移民追放で労働力不足に陥ったフロリダ州の観光業と農業に「低賃金労働力」を供給する意図があると疑っている。
フロリダ州のロン・デサンティス知事が先週、トランプ政権の「国境ツァーリ」トム・ホーマン氏と共に出席した移民政策フォーラムで「若者にパートタイムで働くよう求めるのが何が問題なのか。私が子供の頃は当たり前だった」と発言したことは、そうした疑念を裏付けている。
デサンティス知事は「なぜ我々が違法を犯してまでさらに多くの外国人労働者を受け入れなければならないのか」とも反問した。
米国勢調査局によると、フロリダ州の労働者の27%が移民だ。
また、フロリダ州の数万人に上る低賃金移民労働者を代表する農場労働者協会の会員の60%が、書類不備で拘束・追放の脅威にさらされている。
フロリダ政策研究所(FPI)の上級政策アナリスト、アレクシス・チュカラス氏は「移民問題と児童労働を結びつけているのは明らかだ。これは確かに懸念すべきことだ」と指摘した。
チュカラス氏は「この法案は本質的に、身体的・精神的にまだ成長期にある10代を大人のように扱うことを求め、学齢期の子どもたちに休憩なしの無制限労働や深夜労働を可能にするものだ」と批判している。
フロリダ移民連合の広報官、トーマス・ケネディ氏は「移民を追い出し、脅して労働力不足を悪化させておきながら、今度は児童労働保護基準を破壊している」とし、「同時に、子どもや他の労働者をインターンとして分類できるようにする法案まで通過させようとしている」と指摘した。