
1日(現地時間)、米上院で68年ぶりに新たな最長演説記録が誕生した。演説に立った民主党議員は約2日間にわたり、食事も取らずに同じ場所でドナルド・トランプ米大統領を批判し続けた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など現地メディアには、民主党のコリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)が先月31日、上院本会議に出席し、トランプ大統領および政府効率化省(DOGE)のトップを務めるイーロン・マスク氏を非難する演説を開始したと報じた。午後7時に演壇に立ち、1日午後7時19分を過ぎても発言を続け、従来の最長記録(24時間18分)を更新。同僚議員たちは新記録に拍手で祝福した。ブッカー議員は演壇で計25時間4分間、演説を続けた。
従来の最長演説記録は、共和党のストロム・サーモンド元上院議員が1957年、当時の公民権法案に反対して行ったフィリバスター(無制限討論による合法的な議事妨害)だった。ブッカー議員の今回の演説は特定の法案成立を阻止するためのフィリバスターではなく討論発言であり、米上院では討論発言に時間制限を設けていない。
ただし、ブッカー議員は発言権を失わないよう懸命に努力した。上院では演壇に立つ議員が席を外したり着席したりすると発言権を失うため、ブッカー議員は演壇から椅子を取り除き、食事も取らず、トイレにも行かなかった。同僚議員たちはブッカー議員を助けるため、演説中に質問を投げかけて一時的に発言権を引き継ぎ、その間にブッカー議員は水を飲んだ。
大学アメリカンフットボール選手出身のブッカー議員は現在55歳。2006年から2013年までニュージャージー州ニューアーク市長を務め、2013年から上院議員として活動している。
ブッカー議員は先月31日、演壇に立ち「今、我が国は通常ではない。そして、アメリカはこのような扱いを受けるべきではない」と切り出した。演説の中で「心からこの国が危機に瀕していると信じているから立ち上がった」とし、「物理的に可能な限り(長時間演説で)通常の上院業務を中断させる」と宣言した。ブッカー議員は演壇で、連邦政府へのマスク氏の干渉や教育省の解体、不法移民の強制送還などトランプ大統領の政策を厳しく批判した。トランプ大統領が就任してから「わずか71日間で、アメリカの安全保障、金融の安定、そして民主主義の根幹を著しく損なった」と強調した。批判以外にも、地域住民や一般市民からの手紙、報道記事、有名な演説文などを朗読した。この日のブッカー議員の演説は、ソーシャルメディアやその他のメディアでリアルタイムで中継された。