
イギリスの老舗高級百貨店「ハロッズ(Harrods)」の元オーナー、モハメド・アルファイドが、数百人の女性社員に対する性犯罪の疑惑を残したまま死去した。彼の死後に放送されたドキュメンタリーで事態が拡大し、ハロッズ側は被害者への賠償を提案した。
1日(現地時間)、海外メディア「BBC」などの報道によると、ハロッズは前日に発表した賠償の計画で、被害者の治療費や補償金として最大38万5000ポンド(約7,471万円)を提示したという。
一般的な被害賠償金は最大20万ポンド(約3,878万円)で、アルファイドの犯罪により職を失った場合は最大15万ポンド(約2,913万円)を追加申請できる。特定案件に対する追加賠償金や過去の治療費も請求が可能だ。
昨年9月、BBCはドキュメンタリーを通じて、アルファイドがハロッズの女性社員に性的暴行を加え、苦情を申し立てた社員を脅迫したと暴露。BBCによると、彼はロンドンの自宅やパリの出張先で性的暴行を行ったという。
仮名を使用したある女性は「19歳でハロッズに勤務していた際、仕事が遅くなった日にアルファイドのアパートで彼に性的暴行を受けた」とBBCに証言した。
また、2007年から2009年まで秘書として働いていたという女性は「入社直後に婦人科検査を強要され、その後アルファイドに性的暴行を受けた」と告発した。
彼が生前に犯した性的虐待の被害者は400人以上に上るとされている。イギリスだけでなく、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、スペイン、南アフリカ共和国の女性も含まれている。

アルファイドは、路上の飲料販売員から身を起こし、フランス・パリのホテル「リッツ パリ」とイギリスのハロッズ百貨店のオーナーにまで上り詰めた立志伝中の人物だ。1997年にダイアナ元皇太子妃とともにパリで交通事故死したドディ・アルファイドの父でもある。
アルファイドの性的虐待容疑は、BBCのドキュメンタリー放送前にも1995年の「ヴァニティ・フェア」、1997年の「ITV」、2017年の「チャンネル4」などの複数の海外メディアにより提起されていた。しかし彼は生前、性的暴行などの容疑を否認していた。彼は2023年、94歳で死去した。
ハロッズ側は賠償申請の期限を1年と設定。被害者はハロッズの幹部と面談でき、直接または動画で謝罪を受けることになる。個別の書面による謝罪文も提供される。
申請手続きが完了し、被害者が会社の提案を受け入れると「最終和解」とみなされる。ハロッズは「アルファイドが行った性的虐待に対して全面的に謝罪する」と表明した。多数の被害者を代理する法律事務所「アーウィン・ミッチェル」は、賠償計画の発表を慎重に歓迎しつつも、ハロッズがアルファイドの行為を助けた可能性のある他の社員に対する内部調査の結果を公開していないことを批判した。