
アメリカのドナルド・トランプ大統領が世界の貿易相手国に対して相互関税を発表したことを受け、代表的な安全資産とされる国際金価格が史上最高値を更新した。
一方、国際原油価格は世界経済の混乱による需要減少が予想され下落した。
「ブルームバーグ」と「ロイター」などの海外メディアによると、トランプ大統領が今月2日(現地時間)に各国の相互関税率を発表したことで、ニューヨーク商品取引所の金現物価格は0.63%上昇し、1オンス当たり3,134.17ドル(約45万7,132円)を記録した。アメリカの金先物価格も0.64%上昇し、3,166.20ドル(約46万1,803円)で取引を終えた。
金価格は一時1%近く上昇し、史上最高値を記録した。
関税戦争の本格化に伴い、安全資産である金への需要が集中したと分析されている。国際金価格は昨年、各国中央銀行の大規模な買い入れとアジア地域の需要増加により大幅に上昇し、今年も19%上昇している。
産業用に多く使用される銅価格は変動が激しかった。世界各国の輸出が打撃を受け、製造業が縮小する懸念が反映されたとみられる。
銅価格は関税の懸念から一時2.2%急騰したが、相互関税免除のニュースが広がると下落に転じ、0.6%下落した。結局、前日比0.1%上昇して取引を終えた。
「TD Securities」の商品戦略グローバル責任者バート・メレックは「関税は一般的に銅価格へのマイナスの影響を与える」と述べた。
同日、他の原材料や貴金属の相場は混合した動きを示した。国際銀先物の相場は前日比1.82%下落し、1オンス当たり34.02ドル(約4,961円)を記録した。パラジウムは969ドル(約14万1,332円)で16.30ドル(約2,376円)下落し最大の下落幅を示し、白金は6.40ドル(約933円)上昇して988.80ドル(約14万4,151円)を記録した。
鉄鉱石は104.25ドル(約1万5,198円)で変動がなく、アルミニウム合金は2,575.00ドル(約37万5,395円)で2ドル(約291円)上昇した。
一方、国際原油価格は相互関税が世界経済に混乱をもたらすとの見通しから下落した。
ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は、ニューヨーク時間で今月2日の午後4時59分時点で1バレル当たり70.73ドル(約1万313円)を記録した。この日の終値比1.4%下落した価格である。
アメリカの最大の原油供給国であるカナダとメキシコ産原油は、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)により相互関税が免除され、輸入業者や消費者の懸念が和らいだ。
「レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル」のアナリストであるパベル・モルチャノフは「関税は世界経済全体にマイナスの影響を及ぼし、他の要因がなければ石油需要にも打撃を与える」と述べた。