ロシアの核兵器は北朝鮮の109倍…東アジアの核戦力の実態

世界9か国の核兵器保有数が依然として1万発を超えていることが明らかになった。ロシアと米国で全体の88%を占め、ロシアの核兵器は北朝鮮の109倍に達する。
3日、米国科学者連盟(FAS)が発表した「2025年世界核兵器推定保有量」報告書によると、世界の核兵器総数は1万2,331発と推計された。ロシアが5,449発で最も多く、次いで米国が5,277発、中国600発、フランス290発、英国225発、インド180発、パキスタン170発、イスラエル90発、北朝鮮50発とされた。
ロシアの核兵器は北朝鮮の109倍に達し、北東アジアの軍事バランスにおける優位性が際立つ。
世界の核兵器1万2,331発のうち、9,604発はミサイルや航空機、艦船、潜水艦に配備可能な軍事備蓄で、残る核弾頭は退役し、解体を待っている。備蓄のうち3,904発は作戦部隊に配備され、そのうち約2,100発は米国、ロシア、英国、フランスが即応態勢で運用している。
世界の核兵器保有数は、冷戦期の1986年に約7万300発でピークを迎えた後、減少を続け、今年初めには約1万2,331発となった。これは1990年代の大規模な削減の結果によるものだ。
一方、近年は削減の進展が停滞しており、退役した核兵器の解体は進められているものの、軍事用核兵器の備蓄量は再び増加傾向にあるとの分析がある。
FASは「核保有国は軍縮を進めるよりも、多くの核兵器を無期限に維持する方針を取っている」とし、「これは核拡散防止条約(NPT)の目標と精神に反する」と警鐘を鳴らした。
また、「核保有国は、既存の核戦力の近代化と拡充を進め、核兵器を長期的に維持する姿勢を強めている」と懸念を示した。
FASによると、各国の正確な核兵器数は厳重に機密扱いされ、推定値には不確実性が伴う。多くの核保有国は核備蓄に関する情報をほとんど公開しておらず、情報開示の度合いには国ごとに大きな差があるという。
米国は2010年から2018年まで総備蓄量を公表していたが、2019年にトランプ政権が公表を中止した。バイデン前政権は2020年に一時的に核透明性政策を復活させたものの、2021年以降は核備蓄量を再び機密扱いとした。
英国も2021年以降、作戦用核備蓄や弾頭・ミサイル数の公表を中止した。2023年には、米露両国が新戦略兵器削減条約(新START)に基づく弾頭や発射台数のデータ交換を停止する方針を決めた。
FASは、公開情報や非公開情報を含む分析を基に、各国の核兵器備蓄量を推定したと説明した。
